"Entrée" behind-the-scenes⑪2045(Theme of SHINSEKAI)

2017年8月。
何の情報も出さず、ひっそりとYouTube上に公開したのがこの楽曲。

※現在、OFFICIAL HPからのみ視聴可能となっています。

『Entrée』において、唯一のインスト曲。
主旋律には、皆さんもお気づきの通り、ドヴォルザークの「新世界より 第四楽章」を引用している。
これはね、僕の中では"サンプリング"という概念で旋律を用いたんだ。

なぜか。

ブライアン新世界 Bryan Associates Clubと音楽を続けて、その中でもあそこまで色んなジャンルに手を出して色んな衣装を着たり色んなステージングをしたのは、日本でも僕ぐらいしかいないと胸を張れるほど、要はハチャメチャだった。
傍から見たら躁鬱を短期間で行き来していて、こいつはおかしいんじゃないかと思った方もいたかもしれない。実際おかしかったのかもしれないけれど、僕はいたって真面目にその時にどうしても表現したいことにまっすぐ向き合った結果、そんなことになってしまったのだ。
多分、生き方が下手なのかもしれない・・・。

ただ、BRIAN SHINSEKAIとして、心機一転すべてを総括して始めようと思ったとき、
「過去」と「未来」を繋ぐ、「いま」の音楽を改めて追及するべきだ、まずそういう曲を作ろう、と自然とピアノに向かっていた。

クラシック音楽に触れていた幼少期、グラムロックやハードロックに凝った10代半ば。
そして自分がおじいさんになっているころ、どんな文明に育っているか、ブレードランナー2049が上映される中、テクノロジーと愛の狭間で何が起こるのかの憂い。

僕にとってトラディショナルの象徴である、クラシック音楽で最も印象的だった旋律「新世界」と、未来を想像して作った自分流のエレクトロを混ぜて、"いま"の僕が感じている愛に対する気持ちを、作品にしたかった。


10年後の自分が聴いたら、若い曲だなと思うかもしれない。
でも、今の自分から自然に出てきた答えは、この言葉だった。

"How is the shape of love?"
"I'll be loving you."

技術的特異点=シンギュラリティが起こるとされる2045年。
アンドロイドが人間の知能を超えた時、"愛"はどうなっているのだろう?

僕は、愛は知力とは関係なく、生命そのものに近い存在だと思う。
どんな時代になっても、僕らにできることは、きっと。



BRIAN SHINSEKAI - 2045(Theme of SHINSEKAI)  1st Album『Entrée』収録

https://open.spotify.com/track/6pSOTRwKrv2sUWrLj9S0Fl

2018年、ビクターよりメジャーデビュー。シンガーソングライター/トラックメイカー。愛猫カールをこよなく愛す。ベイスターズと北欧料理に励まされるピアノマン。◆新曲「三角形のミュージック」MV→https://youtu.be/hKb500zLQCE