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noteの父と母が話しているのを聞いて思ったこと

僕がnoteを始めたての頃のまだよちよち歩きで誰とも交流してなかったときに、初めて僕の記事を面白いと言ってくれた人が2人いた。

1人は男性で、もう1人は女性だった。

そして、その2人は、スキの数もフォロワー数も当時の僕とは桁違いで、実際いろんな人から慕われていたから、僕にとってはnoteのビッグダディとビッグママみたいな存在だった。

ちなみに、その2人の間には交流は一切なかったから、本当に僕が勝手に2人のことを親みたいに慕っていたに過ぎない。

知り合って一年くらいは、そんな両親の愛を受けたおかげもあり、どんどん伸び伸びと記事を書けるようになっていたと思う。

実際、義父は、僕の記事に何度もサポートしてくれただけでなく、度々とても熱量のこもったコメントまで寄せてくれた。

一方の義母も、たまに僕の文章を褒めてくれてたし、一度、僕のことを記事にしてくれたときは飛び上がらんばかりに嬉しかったのを覚えている。

でも、そんな擬似親子の蜜月の時間はそれほど長くは続かなかった。

今振り返ると、おそらく息子である僕が不良になったのがきっかけだと考えている。

実際、当時の僕は公私共に非常に深刻なトラブルに見舞われていたせいで、書く記事の内容もどんどん自らの怒りややるせなさを吐露したやさぐれたものが増えていた。

挙句に情緒不安定になって、後に太郎の乱と呼ばれることになるnote退会騒ぎを数回起こして、その度にnoteの友人たちをやきもきさせてしまってもいた。

そんなある日、僕は何の前触れもなく、義母から捨てられてしまう(フォローを外されてしまう)。

今思うと人一倍友達思いの母は自分の共通の友人でもある人たちを振り回している僕のことを許せなかったのだと思う。まあ、実際に彼女の口から理由を聞いたわけではないので、あくまで僕の推測に過ぎないけど。

そして、客観的に見たら、たかが一人のフォロワーからフォローを外されたに過ぎないこの事態に僕は激しいショックを受けていた。

「なんでなの!なんで何も言わずに急にボクを捨てるの?」

とても哀しくて哀しくて、やるせなかった。

そして、僕の受難はさらに続いて、あるささいな出来事がきっかけで義父との関係も悪化してしまう。

それ以降、彼はサポートどころかもはや僕の記事にスキすら着けなくなり、たまに寄せられるコメントもダメ出しや批判的なものや茶化したりするものばかりになってしまった。

彼の真意を確かめたくて参加したnoteのオフ会も、僕が来る前に彼が帰ってしまうことが続いて、それはたまたまだったのかもしれないけれど、僕は彼に避けられていると思ってしまった。

このときも僕は

「なんで、急にこんなひどいことをするんだろう?そんなに僕、悪いことしたの?」

という被害者意識にとらわれて、とてもしんどかったなあ。

一方で、人気noterの2人(義父は途中で退会してしまったけれど)は、僕以外の友人に対しては相変わらず優しくて思いやりのある人のままだったから、そのみんなの楽しげな様子を垣間見てしまうこともキツかった。

ああ、僕だけひとりぼっちだ

なんて情けないことを思ってしまった。

そして、ずっと人知れずそんなモヤモヤを抱えながら、それでも僕はnoteを書き続けてきて、その間に、僕が勝手に無二の親友と思っている人からいただいたあるアドバイスを実践したのがきっかけで、それまではスキを二桁もらえたらいいくらいだったのにそれ以降は、本当にありがたいことにたくさんの人に読んでもらえるようになって、自分にすごく自信がついたのだった。

ずっとよちよち歩きだった僕もこれでようやく人並みのnoterとして自立できたのかもしれない

そんな風に思った。

そんなある日のこと

どういう運命のいたずらか、かつて僕が父や母のように慕っていたあの二人が直接会って、その様子がスタエフでライブ配信されるというニュースが僕の耳に飛び込んできた。

けれど、それは平日のお昼に配信されるという話だったから、ああ無理だな、と思ったのだけど、これもまさに神の見えざる配剤というべきなのか、ちょうど僕のお昼休みのタイミングにライブ配信していたのだった。

正直、聴くのにはとても勇気がいったけれど、ままよ!とばかりに勢いに任せて聴いてみたら、案の定、かつての僕のように彼らを親のように慕うたくさんの人たちに囲まれて楽しそうにしている二人の姿がそこにはあって、僕は胸が張り裂けそうな気持ちになった。

不意に参加者の誰かが僕の名前に触れた。

そして、そのときの二人のリアクションは僕が想像したとおりのものだった。

でも、なぜか僕はショックを受けなかった。

むしろ目が覚めたようなスッキリとした気持ちになっていた。

それは、このとき、僕はようやく当たり前の事実に気がつけたからだと思う。

そう、彼と彼女は、僕の父親でも母親でもなんでもなく、

どこにでもいる年下の普通の男性と女性である

という事実に。

本当に、強がりでも何でもなく、その事実に気づいた瞬間、今までの二人に対する僕の自分勝手なわだかまりの感情がどんどん薄まっていくのを感じた。

そして、そのモヤが晴れたとき、ひとりで心細かったnoteを始めたばかりの僕に対して二人が優しく声をかけてくれたときのことがまざまざと蘇ってきた。

とても嬉しくて、心がポカポカと暖かくなったあのときのことを。

だから、もうそれだけで充分過ぎるよな

と思った。

うん、これで僕もどうやら親離れできそうだ。

だから、やはり最後にこの一言を二人に捧げたいと思う。

お父さん、お母さん、今まで本当にありがとうございました。

※ このお話はフィクションであり、実在の人物・団体とは一切関係ありません

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