「ゾンビ企業」という幼稚なレトリック

リーマン・ショック並みの悪化~中小企業3月末大量倒産に真実味

 中小企業の休廃業・解散件数は、毎年4~5万件という高水準で推移している。そして、コロナ禍やウクライナ戦争、米金利上昇といった地政学リスクが顕在化し、倒産件数を増加させている。

 また、新型コロナ対策で打ち出されたゼロゼロ融資(無利子・無担保)の返済が、23~24年に多くの企業で始まる。中小零細企業のさらなる倒産の加速が予測される。本来は融資ではなく、給付で企業を救済すべきであったのだ。

 当該記事によると、ある経済産業局職員は「存続が困難な企業を無理して救わなくて良いです」と発言したそうだ。また「市場から退出すべき企業が残存していることによって、資本や人材が流動せず、イノベーションや新たな起業を阻害しているという指摘もある。」とのことだ。

 効率性・利益至上主義は典型的な新自由主義者の考え方である。だから、ゾンビ企業だとかイノベーションの阻害といった軽薄なレトリックで中小零細企業を追い詰める。複雑微妙にからむ社会を軽く考える阿呆といってよい。

 地域の中小企業は軽薄なビジネスとは異なり、地域社会の根幹を担う文化、現存在そのものなのだ。くだらない、三流御用学者やエコノミスト、雇われ経営者らの阿呆なレトリックに騙されてはいけない。

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