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脅迫文が届いた日

3年ほど前、警察に被害届を出したことがある。

当時の職場の人間から、匿名で自宅に郵便が届いた。
「お前の存在がウザい、さっさと消え失せろ、
さもなければお前の子供に危害を加える」
というようなもの。
「呪」「死」「悪」とか並んでるやばいやつ。

崩れ落ちたメンタルのまま、
夫のいうとおり警察に行こうと決めた。

職場近くの警察に1人で乗り込み、
捜査一課の刑事さんに事情聴取され、
鑑識さんに指紋採取をされ、
独特の書類にハンコ代わりの拇印を押し、
はじめての体験ばかりで緊張しすぎて記憶はほとんどない。

警察は、まず第一に子供の安全を考え、
しばらくの間自宅周りをパトロールしてくれた。

そして職場への捜査もしてくれた。
疑われたのは、わたしが所属していた課の人間たち。業務上自宅の住所を知るひとは限られている。

警察のひとが一般論として教えてくれた。
こういう嫉妬めいた文章を送りつけてくるのは、
女性か、あなたに好意を持つ男性、とのこと。

思い当たるふしが全くなかったわけではない。

年配の男性職員に異様に好意を示され、辟易していたのも事実。(これはセクハラで上司に報告済み案件)

そしてもうひとつ、
そんなわたしを疎ましく思っているような女性職員がいたことも多分事実。(これは信頼できる友人からの情報)

でも指紋などの決定的な証拠は出ず、
結局犯人を特定することはできなかった。
本当に悔しい。


ちなみにわたしは事件が起きてすぐに上司に報告し、すぐに異動願いを出し、捜査が入る前には別の部署に異動することができた。

ただ、業務上いまも関わることが稀にあり、電話や打ち合わせで顔を合わせる機会があったりする。恐怖しかない。でもそれを言える相手はほとんどいない。

事件以来すっかり人間不信に陥ったわたしは、新しい職場で新しい人間関係を築くこともままならず、周りの同僚に対して心を開けない。


ただ、それでも
こうやって客観的に事実や想いを綴ることができるようになっただけでも、ようやく一歩前進することができた気がする。


様々な感情が、書くことで昇華されていく。

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