ついに劣化ウラン弾も供与、「武力には武力で」の軍事支援が招く恐ろしさ、その先にあるのは・・・・

 下記のような情報が配信されています。
劣化ウラン弾 イギリスがウクライナに引き渡しか プーチン氏“相応の対応”と反発 ウクライナにはドローン攻撃 (msn.com)(3/22)
 上記のようにイギリス自体がウクライナに供与する戦車の弾薬には劣化ウラン弾が含まれていることを明らかにしています。
プーチン氏、イギリスからウクライナへの劣化ウラン弾供与に警告 - BBCニュース(3/22)
 イギリスサイドは上のBBCの記事によれば「放射能汚染のリスクは低く、核兵器とは何の関係もない」として問題なし、という立場ですが、国連などは劣化ウラン弾の使用にはすでに懸念を表明しています。
 さらに下記のようなニュースもあります。
ウクライナにクラスター爆弾提供を、米共和党議員が大統領に要請 | Reuters(3/22)
 ウクライナが要求しているクラスター弾の供与を求める動きがアメリカ共和党サイドから出ています。
 クラスター弾、そして劣化ウラン弾、供与される武器の危険度がどんどん上がっています。
 これらのものが使われた場合、そこの人々・土地はどうなるでしょうか。領土武力奪還のためにはクラスター弾、さらには劣化ウラン弾が必要だ、というレベルであれば、それらを使ってまで領土を武力奪還する意味はあるのか、それらを使って武力奪還してもその土地には人が住めるのでしょうか、その土地は使えるのでしょうか?
 領土武力奪還に「クラスター弾・劣化ウラン弾が必要」なら、「武力奪還ではなく交渉での回復へ」と転換すべきと強く主張します。
 「武力には武力で」という軍事支援はいったん始めると歯止めがなくなり、供給される武器の危険度もあがり、軍事紛争を解決させるどころか戦争をエスカレートさせるばかりではないでしょうか。実際そうなっていると思います。
 そしてクラスター弾、劣化ウラン弾供与の先には何が待っているか、「ある朝目覚めたら世界大戦、核戦争」も杞憂とは言い切れないと危惧しています。
 供与される武器がこうしたレベルにまでなっている現時点でもなお、徹底抗戦・軍事支援支持、でいいのでしょうか。「あの時軍事支援から即時停戦・和平交渉での解決に転換すべきであった」と大きな悲劇に直面して後悔したくはありません(というか世界大戦・核戦争となっていったらその後悔すらもできない恐れが高いですが・・・)。その分岐点に私たちは立っている、と私は認識しています。
 軍事支援を続けることはリスクが膨大すぎて、もはや限界です。

白井邦彦
青山学院大学教授
 
 

 
 
 

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