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自分自身の流儀を通す・天秤座の新月

今日は「天秤座の新月」、そして「日蝕」でもあります。「日蝕」は年に2回あります。新月は1年に12回~13回ありますが、そのうち2回が「日蝕」になります。今年は「牡羊座の新月」と「天秤座の新月」で日蝕が形成されます。

「新月」は、ある一定の角度から見た時に、太陽・月・地球が直線で並んで見えるタイミングです。これに対して「日蝕」はどの角度から見ても、太陽・月・地球が直線で並んで見えます。このような星の配置の日が年に2回あるのです。

「蝕」は神秘主義や魔術界では重要なタイミングですが、占星術ではそこまでは重視されていません。しかし、この日を出生図に持つ人は(日蝕に生まれた人は)、「独特の運や縁を持っている」と言われています。この運や縁は、ラッキーな面と残念な面の両面に現れやすいものがあります。そのため、日蝕は良くも悪くも「思ってもみなかったこと」が起こりやすいのです。

ちなみに、シュタイナーは蝕を「地球が一定の状態にキープされるための安全弁」と定義しています。「月蝕で悪しき想念が地上にもたらされ、日蝕でその悪しき想念が宇宙空間へ放出される」とされています。では、「月蝕が悪い事が起こり、日蝕で浄化されるのか?」というと、ことはそう簡単ではないでしょう。そもそも「悪しき想念」というのが、「何をもって悪しきとするのか」が難しいところです。正義と悪は紙一重でもありますし。。。

さて、肝心な天秤座の話しです。天秤座は、どんな個性を持っているのでしょうか。前回のコラムの牡羊座が「人生の始まり(生まれたばかりの子供)」だとすると、天秤座は「大人の始まり」を表すサインです。大人になるためには「他者目線」が必須です。「相手からどう見られているのか」を知ることが大人になる第一歩です。天秤座は、その視点を誰よりも持ち合わせています。そのため、天秤座は「対人関係に長けている」と言われがちです。しかし、実際には「対人関係」で苦労している天秤座の方が多く見られます。

それは、実際の社会では、相手の目線が多岐に渡るからです。様々な価値観の人が多様な目線を持っています。天秤座は、その全ての人に対応していこうとします。そのため、本来の価値観(自我)が分裂してしまうことがあるのです。とはいえ、多くの人に対応しながら、「何が正しいのか?」と自問自答することで人格を形成していくのが大人です。そうしたプロセスを大事にするのが、天秤座なのです。

太陽が天秤座の人は、「美意識が高く、自分自身の流儀」を人生に反映さながら生きる人です。ただ、主観的な自我と客観的な正論の中で葛藤を抱える人も多く見られます。金星が天秤座の人は「かわいい」より「かっこいい」が似合う魅力を持ちますし、火星が天秤座の人は「正義感が強く堂々と主張できる」ものを持っています。水星が天秤座の人は「知的で洗練された頭脳構造」を持ちます。言葉の使い方も巧みで、オフィシャルな発言が似合う人が多いでしょう。天秤座関係は、総じて背筋が伸びたパリッとした意識体系を持ちやすい傾向にあります。

ちなみに話題のJ事務所のH社長は太陽/天秤座、月/牡羊座の満月生まれです。様々なプロセスと諸事情があり社長に就任したのでしょうが、太陽星座と月星座からみると決して適任とはいえません。社長業は本来、海千山千的な視点と硬軟自在な対応が求められる立場です。そうした点では、天秤座も牡羊座も正直で真っ直ぐなため苦労が多いでしょう。しかし、外惑星の配置やハウス、あるは時期的なものをみると、避けられない運命だったようにも思えます。様々な意見や批判を受け止め、天秤座らしく真っ直ぐで真摯な目線と態度を貫いてほしいものです。

東海 豊

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