環境の影響にぶれることなく自分自身を通す・水瓶座の新月
今日は「水瓶座の新月」です。新月は地球と太陽のあいだに月が挟まるタイミングです。この日、誕生した人は太陽星座も月星座も水瓶座になります。太陽星座というのは「私は水瓶座です」と言う時の水瓶座のことを言います。ホロスコープを詳しく調べなくてもわかるので便利です。太陽星座以外の星座は、詳しく調べないとわかりません。
これは、アメリカの人口知能研究機関であるOpenAIに「水瓶座、個性」と登録して生成された文章です。なかなかの的を得た内容に、ちょっとビックリ。特に「社交的である一方で距離を置く」の件はとても素晴らしい(AIをほめるって、どんだけー上から目線なんでしょう・笑)しかし、こんなシステムが普及していくのであれば、12星座の個性なんてコラムは不要になっていくのではないかと思います。……気を取り直して、本日は水瓶座について書いていきます。
水瓶座の一つ前のサインの山羊座は、成熟した社会人像を表します。成功と失敗、喜びと悲しみ、賞賛と挫折、こうした多くの人生での体験を結晶化させ、人格を完成させるのです。そのため山羊座の資質は、社会を生きるうえで必要なことを全て備えているといっていいでしょう。牡羊座を1番として始まる12サインは、山羊座は10番目のサインに該当します。「1」という数字は始まりを表しますが、「10」という数字は1から9までを統合し完成させることを意味します。
それに対して水瓶座は、そうした山羊座の全てをひっくり返します。山羊座は社会の最大公約数に適応するために、様々な落としどころを探る性質を持ちます。しかし水瓶座は、そうした落としどころを「妥協」と捉えるのです。狭く限定された秩序から飛び出し「より広い世界で、より自由に生きていきたい」というのが水瓶座の基本的な衝動です。そのため、水瓶座は不可逆的な変化変容を自分自身に課していきます。
一般的に水瓶座の個性は「自由」、「博愛」、「友情」といったワードが使われます。「自由」というのは、ローカルな社会で力を失うことであり、社会的権威とは反比例することです。ある水瓶座の企業経営者は「いかにして権力を持たない仕組みを作るかに苦心している」と言っていました。社会に参加することは、ある種の保証を得ることでもあります。しかし保証は、制限や束縛とセットです。例えば、蠍座や牡牛座は、狭いところに入っていく特性を持っており、その結果、自分自身を縛ることで生きるための保証を得ることができます。しかし、その牡牛座や蠍座と90度関係を持つ水瓶座は広いところ飛び出す特性を持ちます。そのため、自由を得るために、あっさりと保証を手放すのです。
「博愛」というのは、特定の人や集団に肩入れをしない愛のあり方を表します。しかし、社会というのは自分自身の所属する共同体に偏好していくものです。高校野球では、出身校でなくてとも、出身や居住している県の代表を応援しますし、オリンピックでは日本を応援します。また、ノーベル賞に興味がない人でも、日本人が受賞したと聞くと、少し誇らしい気分になります。また、日本には4,800万世帯の家族が存在しますが、もちろん自分の家族が最も大事な存在です。しかし、水瓶座にとっては、我が家もお隣さんも世界のどこかで暮らしている家族も全て同じ一家族です。月星座/水瓶座のKさんは、お子さんが友人と喧嘩した時に、あまりにフェアな振る舞いをし過ぎて「なんでママは僕の味方じゃないの?」と言われたそうです。
また、水瓶座にとって「友情」というのは、ベタベタした関係や依存関係、あるいは一歩的に寄り添うことでもありません。個々の違いを尊重し、理解し合うことを大事にします。そのため、友情を成立させるためには、まず自分が自立した充実した人生を送ることだと考えます。太陽星座/水瓶座のS夫さんは、「相手を見るのではなく、関係そのものを見るようにしている」と言っていました。こうした俯瞰した視点は水瓶座の真骨頂でしょう。
このように水瓶座の個性は、社会の常識からすると異端的に見られやすい傾向にあります。そのため、世の中の大半の水瓶座が「変人」や「宇宙人」と言われた経験を持っているはずです。しかし、水瓶座ほど人間を総合的にみている人はいません。地位や立場や職業はもちろん、性別、学歴、出身など履歴書の書いてありそうな全てに偏見を持たず、自分自身の純粋な目で人を見ていきます。そして、そうした自分自身の視点を堂々と表現していきます。人は得てして少数派のなると孤立感を感じやすいものですが、水瓶座の辞書に「孤独」という言葉はありません。もし、誰かから「変わっているね」と言われた、全く怯むことなく「どんなところが変わっているの?」と平然を質問をするのが水瓶座です。
村上龍さんは、太陽星座を水瓶座に持つ作家の一人です。村上さんの本を読んでいうると、「大切な人を幸せにするためのたった一つのことは、自分が一人で幸福であることだ」「革命は辺境から起こる」「暗く反省したり、泣いて詫びても誰も人はついてこない」など、とても水瓶座らしい言葉が散見します。そもそも、村上さんの本は「自立」と「反権力」がテーマになっているものが多く、そこはまさに水瓶座的です。
初めて村上さんの本に出会ったのは「限りなく透明に近いブルー」です。1976年出版ですが、私が読んだのは大学生の頃でした。直木賞を受賞して映画にもなったので、聞いたことがあるタイトルだと思います。内容は、ここではとても表現できないような退廃的な描写が多いのですが、どういうわけか、当時の私の琴線に響くものがありました。村上さんは、過激な内容の小説が多いのですが、描写はとても客観的で、出来事から距離を置いたものが多く、どこか儚げさを感じます。学生の頃は、舞台となった米空軍基地がある福生にも行ってみたりしたものです。今でいう聖地巡礼ですね。
その後、社会に出てからはしばらく離れていたのですが、36才の時に「13才のハローワーク」という本に出会いました。514種類の職業をまとめて紹介している本です。ちょうどその頃、会社を辞めようと思っていたので、「世の中にはこんなに多くの職業があるんだ!」と興味深く読んだのを憶えています。それぞれの職業は「虫が好きな人は」「地図を見るのが好きな人は」のように整理されているのですが、興味深いのは「えっちなことが好きな人は」「喧嘩が好きな人は」という欄があったことです。(ただ村上さんの過去の出版物を考えれば、もっとはみ出した内容があっても良かったと思いますが)
なかでも「どうして学校では社会に出で役立つことを教えてくれないのだろう」という件には、非常に共感しました。私は時々「税金は大事なのに、どうして払い方や仕組みを教えてくれないのだろう」「泥棒は法律違反、というのもモラルの観点では親から教った思うのですが、社会的には教わってことがない」と思ったりしたものです(月が水瓶座だからではないかと思っています)「算数が好き」「歴史が好き」「料理が好き」といった王道的なテーマと「えっちなことが好き」「戦争が好き」「火や炎が好き」とうアウトロー的なテーマを同等に扱うおうする試みは極めて水瓶座的は発想です。
そうそう、私の月の水瓶座の度数と村上龍さんの太陽の度数は全く同じなのです。そして、そんな村上さんの本は「幸せな人が読んでもまったく良さが解らない」と言われています。この書評は個人的にとても気に入っています。ちなみに、占い師や西洋占星術師という職業も紹介さていましたが、当時は全くスルーでした。
水瓶座の作家は、夏目漱石、森鴎外、大江健三郎、池波正太郎、山田詠美、東野圭吾など比較的多いと言われています。作家という職業は、ある種、社会から逸脱している頭脳構造が活かさせる世界なので、理にはかなっているかもしれません。なかでも、東野圭吾さんの本に「世の中には、見ることのできないものが二つある。一つは太陽、もう一つは人間の心である」というような一節があり、とても響いたのを覚えています。でも、どの本だったか思い出せない。「白夜行」だったか「ガリレオ」シリーズだったか「マスカレードホテル」だったか。。。ちなみに、ガリレオの主人公、天才物理学者・湯川学を演じた福山雅治さんも太陽星座が水瓶座です。そして、本家の物理学者ガリレオ・ガリレイも水瓶座です。天才と言われる人の70%が水瓶座という謎の都市伝説があるようですが、まんざら外れてもいないのかもしれません。
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