笑顔と愛嬌で平和をもたらす・蟹座の満月
今日は蟹座の満月です。満月は、地球を挟んで太陽と月が並んだ配置になる日です。空を見ると「太陽-地球-月」と並んで見えます。といっても、三次元の世界では太陽と月を同時に見ることは出来ません。そのため、こうした天体の配置を俯瞰するために、二次元で再現したものがホロスコープ(専門的にはチャートといいます)です。出生時のホロスコープの月の配置が蟹座にあれば「月星座が蟹座」と呼びます。
太陽星座と月星座はどちらも個人の「個性」を表します。しかし、その性質はかなり異なります。月星座はリラックスしている時、自然体でいる時に発揮される個性です。この世に生まれてから7才までに、育ち定着していきます。両親や兄妹など家族の中で育つ個性のため、親しい人、気を使わない人といる時に発揮される「自分の中の子供的な側面」を表します。
それに対して、太陽星座は物事を意思決定する時、選択する時に発揮される個性です。社会に出て自分の意思を問われるような人生のステージで育ちます。自分の意思を行使すればするほど、太陽星座の個性は定着していきます。そのため、仕事やオフィシャルな場面で発揮される「自立した大人の側面」を表します。
太陽星座は大人の個性、月星座は子供の個性と呼ぶことができます。あるいは、未来に向けて頑張る時は太陽星座、リラックスする時は月星座と考えても良いでしょう。サイン(星座)は、性質や性格を表します。そのため、蟹座には蟹座らしい性質があります。しかし、その性質を「太陽を通して発揮する時」と「月を通して発揮する時」では、かなりの違いがあります。太陽は社会の中で学び成熟した姿であり、月はありのままの子供的な姿なのです。
例えば、蟹座を表すワードに「共感力」という言葉がよく用いられます。この共感力は、月星座の場合は「シンパシー」という形で現れます。シンパシーは、相手の体験や心情を自分の心の世界に重ねる力です。この共感は、形としては相手に対する思いやりだったり同情心だったりしますが、実際は自分の心の「投影」です。子供的な心情というのは、あくまでも自分が世界の中心だからです。
それに対して、太陽星座は、その「シンパシー」が「エンパシー」という形に成熟していきます。「エンパシー」というのは、「相手の立場になる力」です。主体を自分ではなく相手におくことが出来ます。いわゆる「相手の気持ちに寄り添う」という時に必要な資質です。「シンパシー」も「エンパシー」も、他者の心を感じるという点では似ていますが、主体のあり方という点では位相が逆転します。
さて、蟹座の月星座のお話しです。
月星座が蟹座の人は、甘えん坊で愛され願望が強い傾向にあります。そのため、幼少期の母子関係がその後の人生に大きな影響を与えます。例えば、月星座/蟹座のA子さんは、「子供の頃、両親共に出張が多く寂しい思いをしたので、今は子供にそんな思いをさせたくないから家の近くで働いています」と言っています。
(ちなみに、A子さんの弟さんは「むしろ親がいないので、自由で楽しかった」と言っています。弟さんの月星座は双子座です)
また、とても現実的で心配症でもあります。月星座/蟹座のS香さんは、「いつも何かをする時には最悪の状況を想定しておきます。その方が何かあった時に気持ちが楽なので」「でも保険をかけ過ぎて、逆に苦しくなってしまう(笑)」とよく笑って話してくれます。
(ちなみに、月星座が射手座であるS香さんの夫は、「運をよくすることが最強の保険」と言っているそうです)
あるいは、月星座/蟹座のN美さんは「一人で旅行にいけない。怖いし、何より一人でご飯が食べられない。一度、仕事で地方に行った時に、寂しいので入った飲食店で隣りになった人とお話ししながら食べました」と言っていました。
(ちなみに、それを聞いた蠍座のお子さんには「知らない人と一緒に食べる方がよっぽどハードル高い」と言われたそうです)
蟹座に関するエピソードは事欠きません。それは蟹座が、こうしたエピソードを楽しそうに語ってくれるからです。蟹座は、いつでもこよなく周囲の平和を願っています。そのため、常に周りを笑わせようとしてくれます。自虐ネタや失敗談を惜しげもなく披露し、持ち前のサービス精神と愛嬌で、周囲をいつも笑顔にさせてくれるのです。
そんな蟹座の中でも最強なのはYさん。Yさんは時々、お茶やランチを共にする友人のような関係ですが、基本的にいつも遅刻です。「反対側の電車に乗っちゃった」「外国人に道を聞かれていて案内していたら迷っってしまった」「家を出ようと思ったらモミジ(猫)がニャーニャー泣くから」「途中でキレイな桜を見ていたら…」と毎回、理由は違うのですが、どういうわけか、理由を聞くたびにほのぼのしてしまいます。やれコンプライアンスとか、ガバナンスとか、シビアさに溢れた現代では、こうした蟹座の芸風(?)は、是非とも後世に残していっていただきたいと思っています。
蟹座は、本質的には心配性で保守的で真面目なので、仕事で遅刻をする人はいません。初めての場所であれば、念のため早く行き下見をする人も多いでしょう。しかし、もしあなたの月星座が蟹座であるのであれば、時々「しっかりした人」という仮面をはずせる時間を作ってみてください。ユーモアとファンタジーに溢れた天衣無縫な個性は、どんなゆるキャラをもしのぐことでしょう。
ちなみに、「ゆるキャラ」という言葉を最初に使った人は、漫画家でありイラストレーターであるみうらじゅんさんです。2004年には商標登録もされているようです。「ゆるキャラ」は、もちろん造語ですが「ゆるい」という言葉自体が「鋭敏な印象を与えず人をなごませる意の俗語」だそうです。そんなみうらさんは、太陽星座は水瓶座ですが、月星座は蟹座です。
東海 豊
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