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内界と外界の絶妙なバランスで揺れる・乙女座の満月

今日は乙女座の満月です。満月は、地球を挟んで太陽と月が並んだ配置になる日です。空を見ると「太陽-地球-月」と並んで見えます。といっても、三次元の世界では太陽と月を同時に見ることは出来ません。そのため、こうした天体の配置を俯瞰するために、二次元で再現したものがホロスコープ(専門的にはチャートといいます)です。出生時のホロスコープの月の配置が乙女座にあれば「月星座が乙女座」と呼びます。

月星座が解らない方
こちらのサイトでホロスコープを作ることができます。
事前に出生時間を調べてくださいね。
http://www.horoscope-tarot.net/

乙女座の一つ前のサインである獅子座は青春時代のマインドを持ちます。怖いもの知らずで、夢を追いかけ、世界の中心に自分がいて、常に疾走しているような感覚の持ち主です。自分は特別な存在だと信じていて、何かにインパクトを与えたいという強い衝動に突き動かされるように行動する傾向があります。特に「どんなことでも信じれば出来る」といった全能感を持つことは獅子座の真骨頂といえるでしょう。

しかし、次のサインである乙女座はこうした獅子座の全能感を否定します。「エゴを出すことは、はしたないこと」であり、「世界の中心に自分がいるなんて、おこがましい」と考えます。社会での立ち位置を模索し、周囲をよく観察して、環境からの要求に応えながら、完璧さを求めます。そのため成熟した社会性を持つようになりますが、自己を低く見る癖もあり、自己信頼と自己批判が表裏一体となり複雑な心境を持ち人が多いでしょう。

獅子座も乙女座も完璧さを求めやすいサインですが、そのアプローチは相反するものがあります。獅子座は自分を信じるマインドが完璧さに直結すると考えますが、乙女座は自分を律して改善や修正を重ねることで完璧さを求めます。乙女座は批判的といわれることが多いですが、これは誰からも批判を受けることのない完璧な人を目指していることの証です。

ちなみにどちらも、社会に出る前の段階を表します。例えば、自由な校風で、私服で登校し、放課後には盛り場に繰り出す都立高校を獅子座系高校、クラシカルな制服で、髪型やスカートの丈にうるさく、お祈りの時間があるミッション系の私立高校を乙女座系の高校と分類できます(もちろん、完全な私見です)ということで、本日はこの乙女座を月星座に持つ人の傾向をみていきたいと思います。

月星座は、生まれた時の月の位置を表し、自分の内面や感情を示します。月星座が乙女座の人は、以下のような特徴があります。

・真面目で几帳面、完璧主義で細かいことに気がつく
・頭の回転が速く、分析能力や観察力に優れる
・慎重で奥手、恋愛に対してもプラトニックな傾向がある
・知的好奇心が高く、勉強家で物事を柔軟に取り入れる
・献身的で相手に対して誠実、困った時には助けてくれる
・ドライで冷たい印象を与えるが、根は素直で純粋、夢見がちな一面もある

月星座が乙女座の人は、自分の感情を表に出すのが苦手なので、周りからは不愛想や冷淡に見られがちですが、実はとても優しくて気配りのできる人です。自分の理想に近づくために努力を惜しまない人なので、仕事や勉強では成果を出すことができます。しかし、完璧主義が過ぎると、自分や他人に厳しくなりすぎたり、小さなことにこだわりすぎたりすることもあります。自分の欠点を認めることや、気楽に楽しむことも大切です。

恒例となってきたAIの回答です。教科書としてほぼ完ぺきといっていい内容です(←また上から目線でAIを評価してしまった。。。)「占星術の基礎を学びたい」、「まずは12星座の性格を知りたい」という人には、非常に分かりやすい解説ではないでしょうか。特に「小さなことにこだわりすぎたりすることもあります。自分の欠点を認めることや、気楽に楽しむことも大切です」という件は、月星座/乙女座の人にとって、忘れてはならない指標でしょう。

ただ、これまでの占星術経験の中で「乙女座ほど一筋縄ではいかないサインはない」というのが私の実感です。

月星座/乙女座のYさんは「掃除は苦手です」「洗濯物の畳み方にこだわりはありません」「仕事は時々さぼっています」といいます。「几帳面からはほど遠い気がします」と言っています。

月星座/乙女座のSさんは「どうしたら男子にモテルかをいつも考えていました」「ファーストキスは幼稚園の時です」と、とてもませている子だったようです。50才を超え既婚なのですが「今でも時々恋愛をしています」「奥手でプラトニック、というのは全くあてはまりません」と言っています。

占星術の勉強をしていくと、このように教科書に書いてあることがピンとこないことに時々出会います。12サインの性格付けに関しても、実際と異なるように感じることがよくあります。中でも乙女座と天秤座はそうしたケースが多く見られるというのが私の印象です。

ちなみに、この原因の一因として、「性格と行動は一致しやすい」という思い込みがあるように感じています。例えば「真面目な人は勉強をする」「奥手の人は恋愛をしない」みたいな思い込みです。実際は、真面目な人でも勉強しない人もいますし、不真面目な人でもよく勉強する人もいます。また、奥手でも恋愛はしますし、積極的な人でも恋愛はしない人もいます。

例えば、金星が乙女座の人は基本的には奥手ですが、そのハウスが5ハウスにあれば、恋愛には積極的です。逆に金星が射手座の人は肉食系といわれていますが、そのハウスが12ハウスにあれば出会いはあまり多い方ではありません。サインはあくまでも性格であり、活動傾向はハウスで読みます。

また、恋愛傾向は金星でみる方がより的確に現れますし、日々の暮らし方は水星も影響を及ぼします。ただ、こうした惑星を使う場面や側面を理解していくのは、占星術でもある程度のキャリアが必要になってきます。何年か勉強した人が取り組むテーマです。

今から7年以上前になりますが、個人鑑定で出会ったTさんも月星座/乙女座でした。彼女はいわゆる水商売を生業としていました。「子供の頃から、男女のことや性的なことに興味が強かったんですが、母が厳しくて、なかなか男の子とお付き合いができなくて、夜遊びも出来ませんでした。その反動です」と言われていました。しかし「お酒を飲むとちょっとした味覚の違いで自分の体調がわかる」、「ママが作る水割りの味でその日のママの気分がわかる」、「お客さんの情報はキメ細かくメモしている」といった乙女座らしい繊細さも現れています。

また、乙女座は内界と外界との境界線が非常に繊細なのも大きな特徴です。特に、月星座の場合は、独自の生理的な感覚を持っていて、そこに外部から侵入された時の不快感はかなりなものがあるように思えます。結果的にパーソナルスペースを強固に守る傾向があります。

月星座/乙女座のMさんは「誰とも会わないなら3日お風呂に入らなくても大丈夫だけど、日帰り温泉で知らない人と同じ浴槽に入ることはできない」と言っています。友人との旅行でのホテルの相部屋も苦手らしい。しかし、恋愛に関してはかなりアグレッシブなようです(「しかし」という接続詞の使い方がおかしい気もしますが)

月星座/乙女座のAさんは「部屋の掃除はしなくてもいいけど、一口ちょうだいと言われたり、鍋をつつき合うのはNG」と言います。リユース商品も基本的な苦手だそうです。ただ、サスティナブルな暮らしを標榜されているため、自分自身の潔癖的な癖にやや頭を痛めているようです。

こうした外部や他者との接点に敏感というのは、生理的なことだけでなく、心理的な面や物理的な面も含まれます。この敏感なセンサーを持つことで、乙女座は周囲の期待に応えるための硬軟自在な対応ができるのです。そして、その外部に対するセンサーの感度が良い人ほど、安全地帯であるパーソナルスペース内では、その反動が現れるのかもしれません。ただ、こうした背反的な面のバランスの取り方はかなりセンシティブで、乙女座以外の他のサインの人には知る由がないではないかと思われます。

今から20年以上前のことですが、友人Nさんから「椎名林檎いいよ。聴いてみて。気に入ると思うよ」と言われ、聴いたのが「歌舞伎町の女王」でした。中学校が新宿だったので、歌舞伎町は庭のようなものだった私にとって「歌舞伎町の女王」の世界観は、やや妄想的に聞こえたものです。もちろん、歌詞は隠喩なのでしょうから、歌舞伎町はある人にとっては会社かもしれませんし、女王は自立した女性であるかもしれません。

歌舞伎町の女王・椎名林檎

とはいえ、彼女の歌謡曲的な懐かしさとジャジーな大人っぽさが入り混じった音楽は比較的な好きな分野ではありました。また風刺的に何かを訴えているようで、でも自己批判的に聞こえる感じも好印象でした。ただ、それよりも、興味を持ったのが「椎名林檎の歌詞は同じ子音を繰り返すため独特のリズムになるんだよ」というNさんの解説でした。Nさんはこうしたマニアックな技術論が好きで、音楽を印象ではなく理論で語ってくれるのですが、私もけっこう好きな視点です。

当時はまだ星占いに全く興味がなかったので気づきませんでしたが、今振り返るとNさんの太陽星座、水星星座、金星星座が乙女座でした。そして、椎名林檎さんは太陽星座が射手座で、月星座が乙女座です。変幻自在で多様性のある世界観は柔軟宮に由来しているではないかと思われます。ちなみに椎名さんは、子供の頃は極度の恥ずかしがり屋で、人前に出るとすぐ顔が赤くなってしまい、友達から「りんご」と呼ばれていたらしいです。それが芸名の由来になったとか、ならなかったとか。

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