溺れていた人を、また海に連れ出す大罪

私は医師ではない。
医学的な知識は素人レベル。書籍やネット、人から見聞きした情報の上澄みしか持ち合わせていないと自覚している。

しかし、そんな低い医学知識レベルの私でも今日犯した罪の重さを、大いに気付かされた。

摂食障害に関する本を読んだ記憶が正しければ、過食症の人が「食べたい」欲に駆られるのを、こう表現していた。
過食症の人がお菓子やパンなどを欲するのは、精神的なあらゆる不安から解放されたいと願う一心で反射的に食べて脳を安心(麻痺?)させる行為で、『溺れている人が藁をつかむ』ような反射的な行動と同じだ、と。

そんな病に苦しむ人に対して、私は大罪を犯してしまった。
ここ最近たった数日の様子が、それまでより改善が見られ、過食衝動もなく、お菓子でなくご飯を食べ、笑顔で楽しそうに暮らしていたから、そして彼女の誕生日が近かったこともあり、「喜ばせたい」の気持ち一心で、お菓子を2種類も用意してしまった。

喜ばせたい、幸せな気持ちにさせてあげたいと願っていたのは、100%本気であり、真面目だったが、相手の心に寄り添えてなかった。
前述のとおり、「溺れている」状態だったのだ。つい数日前まで。

溺れて、苦しみ、水から上がりたい一心で、藁をつかんでもがいていた人が、ようやく岸に上がり、一安心している顔をみていた自分。
直前まで溺れかけ、死の恐怖に接していた人に対して、その安心した顔に、自分が安心し、手を引いて海へ一緒に入っていったようなものだ。

喜ばせたい。幸せな気持ちにさせてあげたい。
これは「私」の願いだ。

なぜ「相手」の願いや、想いに気づこうとしてあげられなかったのか。









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