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発達障害は脳機能の問題①

今回は、脳科学者澤口教授が書いた『発達障害の改善と予防」の1部をまとめました。


発達障害は、遺伝子要因と環境要因があります。妊娠前、妊娠中、出産、出産後の状態で、遺伝子的には発達障害ではなくても発達障害になってしまうことがあります。

お子さんの年齢が4歳から6歳ならもっとも改善しやすい年齢です。

簡易チェックリスト①

【目と目が合わない、笑いかけても、笑わない】

※すべきこと※

密な母子コミュニケーションと母乳だけで半年以上育てること。または、アラキドン酸入りのミルクで半年以上育てれば、お子さんが自閉症スペクトラムになるリスクは半減します。赤ちゃんが飲みたい時に母乳やミルクが飲めるようにしてください。

母子コミュニケーションは、頻繁なスキンシップ、語りかけ、笑いかけ、添い寝です。お子さんが少しでも反応したら、同じような反応を大げさなくらいにしてください。少しでも笑ったら笑い返す、触ってきたら触り返す、言葉を発したら同じ言葉で受けて、さらに話を膨らませます。

寝る前の読み聞かせも意味があります。お子さんが聞いていないように見えても脳は聞いてます。

言葉を出すこと(発話)よりも言語理解が脳レベルでは先行しています。
なので、誕生後からの「語りかけ」が、言葉の発達に重要なのです。

生後半年や1年を過ぎたら、いつも抱いていることは難しいですが、スキンシップを頻繁にしてください。お母さんが不安だったり心配だつたりすると、その状態が子どもに伝わるので、その場合は避けてください。

言葉が育っていく3歳くらいまでの時期に、無理に言葉を言わせようとして、テストやクイズのようなものはすべきではありません。

「絵カード」を見せて、その絵に対応する言葉を言わせる。というような方法もありますが、これは言語の本質から見て無意味か、有害なので避けて下さい。

発音しやすい擬音語や擬態語「すいすい」「らんらん」「きらきら」など、赤ちゃんのめにするものに合わせて、遊びの音を聞かせてあげることも大切なことです。

お母さんが疲れてしまってはいけませんから、お母さんが穏やかな気持ちでいられる時間、なるべく肌の上で直接抱いてあげて、目に入るいろいろなものについてのお話しをゆっくり、静かな声で聞かせましょう。

好きな歌を歌っても良いです。

穏やかな気持ちになれる、ゆったりした歌をうたってあげましょう。

もし、お母さんがつかれてしまったら、バラエティ番組を見せてください。アニメや幼児向け番組は無意味です。

言葉も笑いも表情の変化もバラエティ番組には多く、お子さんがテレビ番組を見ていなくても、「脳」は多少なりとも見たり聞いたりしています。

ただし、1日2時間未満というのが原則です。

NGなのは不安や怒声です。怒り顔や怒った声も脳の発達には意味がありますが、「見つめ返さない、笑い返さない」という状態では、お母さんの「明るい」「笑い顔」がいちばんです。

【視野の一部で物を見る】

※すべきこと※

まっすぐに見ることの訓練がいいと思われるかもしれませんが、それは無意味です。また、眼を動かすことの訓練も不用です。

脳レベルでは、先程の「見つめ返さない、笑い返さない」という症状と同じ状態だとみなすことができます。

【言葉が遅い】

言葉が出る時期は個人差が大きいので、多少遅くても過大な心配はいりません。ただ、1歳半から2歳までに言葉が出ない場合、脳機能障害がある可能性があります。

3〜4歳を過ぎても言葉が急速に増える『語彙爆発』が起こらないことも問題です。

言葉が出始めた時に、注意すべきことは「ファスト・マッピング」ができるかどうかです。

ファスト・マッピングとは、1度覚えた単語を表示方法が変わっても言うことができることです。

例えば、「りんご」なら、見る角度が違っても、置いてある場所が違っても、テレビ画面に映っていても、色が多少違っても、数が変わっても「りんご」です。どんな「りんご」でも「りんご」と言えることが大切です。これがファスト・マッピングです。

ファスト・マッピングができるようになると、言葉・語彙は飛躍的に増えます。逆に、ファスト・マッピングができないと言葉は発達しません。

絵カードを見せて「〇〇」と言わせるような訓練がありますが、その絵カードには答えることができても、実物や他の場所で言えないということが起こり得るからです。

※すべきこと※

難聴だと言葉が遅れます。出てこないこともあります。

頻繁に語りかけをして下さい。お母さんが疲れたら、バラエティ番組を「2時間未満」を原則として、見せてください。画面を見ていなくても「豊富な音声言語に囲まれる」ということで、脳レベルでの発達が促せます。

おばあちゃんにも手伝ってもらってください。おばあちゃんと住むか、毎日のように来てもらって、お子さんに頻繁に語りかけてもらい「言葉漬け」のような環境にすることです。

おばあちゃんによる「言葉漬け」は言葉の発達に相当意味があり、おばあちゃんとよく接する幼児ほど知能が高いというデータもあります。

言葉を発することが楽しくないと言葉が出ない、少ないということもあります。くすぐって言葉を出させたり、楽しい遊びをしながら発話ん促します。

歌を歌うだけでも言葉の発達を促します。

指と声の両方を使って数を数える、という訓練をしてみて下さい。数は、カテゴリー性を持っています。指を使ったボディーランゲージを組み合わせることで、数を言えるようにします。数が言えたら、色々な物の数を言うようにして下さい。これで、ファスト・マッピングの脳内基礎ができます。

数のファスト・マッピングができるようになったら、数以外での言葉での語りかけや読み聞かせを頻繁にしてください。

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