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夏期講習を振り返って #6年生国語

今年の6年生の夏期講習の国語は、入試問題演習を中心に行いました。
みくに出版が販売している『2021年度受験用 中学入学試験問題集 国語編』をご購入いただき、そこから良問を選び、取り組ませました。

指導方法としては、サピックスのBテキストの授業を模し、記述問題を中心に解かせ、その推敲に取り組ませました。

この指導法が優れているのは、子供たちが文章を読んでいるかどうかが分かるところです。

まず、問題を読む時間を与え、文章の内容を整理させます。

物語文は場面に分けたり出来事や登場人物の感情を整理したり、論説文は意味段落に分けたり具体例やそれに対する筆者の意見を整理したりさせます。
ここで、ただ何となく「文字」の「音」を追いかけている子は、そのような作業を行えません。
「文章を読む」ことができない子は、その時間を与えても整理ができないのです。
国語をできるようにするためには、まず時間を掛けて「文章を読む」という作法を身に付けさせることが大切です。

そして、本当に読めているかどうかを確認するために記述の解答を書かせます。
「書けない」子にも、なんでもいいから記述を書かせます。
そして、間違った記述に対しては、自分が読めていないことに気付かせて、書き直させます。
それを延々と繰り返させすことで、自然と「国語力」が付いていきます。

国語の本質的には、実は「読解力」も「記述力」存在しません。ただ「国語力」が存在するだけです。
自分が読み間違えていることに気付かせて、新しい理解を考えさせる時間だけが、その「国語力」を育ててくれます。

この時間を与えずに問題の解法を中心とした解説を繰り返すと、子供は逆に文章が読めなくなります。
「文章を読む」ことと「問題を解く」ことは違います。
小学生は、まだ「読む」という動作を身に付けていません。
その動作を身に付ける前に「解く」という動作を身に付けさせようとすると、「読む」という動作を身に付けられずに「国語力」を失っていきます。

大学受験の現代文指導と中学受験の国語指導の決定的な違いは、そこにあります。
「読む」という動作を身に付けている子と身に付けていない子では、指導方法が決定的に異なるのです。
その意味で、サピックスのBテキストの指導法は、小学生の国語指導の最善ではないかと考えています。

私たちは、この夏期講習では、その指導法に倣い、徹底した文章整理と記述の推敲に時間を割きました。
その結果、「読む」という動作を身に付けていなかった3人ですが、この夏の取り組みで少しだけ「読む」ことができるようになったと思います。
それが、国語の点数に繋がっていると感じます。

すでに、結果の出ている9月の模試では、3人とも4教科の中で国語の成績は良い方です。
今後も、私たちは推敲を通して「読む」という動作を子供たちに身に付けさせることで、「国語力」を育てていきます。


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