NORTH LAKE BOOKS

千葉県我孫子市・手賀沼湖畔にある古本屋です。

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記事一覧

Advertisements for myself

雨天。ひたすら本の値段付けをした今日、おそらく青インクのBIC太で引かれた最も濃厚なラインは、ノーマンメイラー「ぼく自身のための広告」下巻、白い黒人」ヒップスター…

LIVE UNDER THE SKY '81 パンフ

昨日の仕入れで、最も痺れたのが、1981 年のライブ・アンダー・ザ・スカイのパンフレット。ウクレレの教則本やミッシェルポルナレフの来日公演のパンフに混じっていた。表…

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2022年1月

元旦(土)晴  久しぶりに元旦営業を休む。一歩も外に出ず。 2日(日)晴  新年、営業初日、ご家族づれ多く忙しくスタート。本も50冊ほど売れる。閉店後レコード屋へ…

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詩人としてのポール・サイモン

初めてちゃんとポール・サイモンを聴いたのは、1986年発表のGRACELAND(グレイスランド)です。当時21歳だった僕は、3年ほどアルバイトしていた新宿のデザイン事務所から、…

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What song?

映画の中の音楽のこと。といっても映画全体を通して作られるサウンドトラックということではなく、映画やドラマの中で登場人物が聴いている音楽、偏愛している曲。その1曲…

デトロイト美術館の奇跡

合衆国の都市デトロイトとのファーストコンタクトは、野球のタイガースでもなく、アメフトのライオンズでもない。自分たちの世代はおそらくロックバンド、キッスによる1976…

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THE AMERICANS

自分たちの店は一般的に「ブックカフェ」と呼ばれている業態。個人的には「ブックカフェ」ってあんまり好きな名称ではなくて使いたくないのですが、いちいち「店舗の入り口…

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向田邦子

2019年11月に河出書房から発行された「向田邦子の本棚」という本が手元に来たので、読んでみる。「だれだれの本棚」という類の本は世にたくさん出ているが、この「向田邦子…

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ハーレムの黒人たち

前回からのBlack Lives Matterの流れは続きます。 黒人作家の本を読みたくなる気持ちとは裏腹に、昔は自分の店でも、たまに見かけたボールドウィンやトニ・モリソンも店頭…

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60 Years of Photojournalism

言葉に癒され、刺激されたりするのと同様に、1枚の写真に心揺さぶられる。歴史を知るうえで写真は言葉より少し早道かもしれない。その一瞬を捕らえた写真には言葉をいくつ…

岩波新書から3冊

先日、買取させていただいた膨大な数の岩波新書の中から、値付けをしながらなんとはなしに除けておいた3冊。これといった理由や目的もなく、ただタイトルと帯のコピーを見…

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塩を食う女たち  聞書・北米の黒人女性

「アメリカの鱒釣り」のリチャード・ブローティガンの作品の翻訳者として知られる藤本和子さんが、1982年に晶文社より刊行したこの本が、一昨年、岩波現代文庫から文庫化さ…

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Cambridge Circus

「ケンブリッジ・サーカス」に掲載されていたポール・オースターと彼の作品の翻訳者・柴田元幸との対談が良かった。 テーマは子供の頃の話。コロナのせいなのかわからない…

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For the Children

先日、静岡の友人でパーマネントという衣料品店を経営しているナベちゃんと久々にメッセージのやりとりをしていましたら「デジタルヒッピー禅」という言葉も出て来たりして…

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Advertisements for myself

Advertisements for myself

雨天。ひたすら本の値段付けをした今日、おそらく青インクのBIC太で引かれた最も濃厚なラインは、ノーマンメイラー「ぼく自身のための広告」下巻、白い黒人」ヒップスターに関する皮相な考察”という章から。

LIVE UNDER THE SKY '81 パンフ

LIVE UNDER THE SKY '81 パンフ

昨日の仕入れで、最も痺れたのが、1981 年のライブ・アンダー・ザ・スカイのパンフレット。ウクレレの教則本やミッシェルポルナレフの来日公演のパンフに混じっていた。表紙のイラストのパワーが妙にすごくて引っかかったので、落とせたらラッキー!ってくらいの感じで入札。そして落札できた。店に戻りじっくりページをめくってみるとなんとそのイラストは大竹伸朗さんではないですか!すっごくいいんですけど…!

2022年1月

元旦(土)晴  久しぶりに元旦営業を休む。一歩も外に出ず。

2日(日)晴  新年、営業初日、ご家族づれ多く忙しくスタート。本も50冊ほど売れる。閉店後レコード屋へ。

3日(月)  買取のお客さんも始まる。

4日(火)  珍しく若いお客さんで賑わう、いいこと。

6日(木)  初市。帰り道、雪降り始める。夜中に雪掻き。住宅地につき雪を掻く範囲を悩む。きっちり境界線までというのも、やっときました

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詩人としてのポール・サイモン

詩人としてのポール・サイモン

初めてちゃんとポール・サイモンを聴いたのは、1986年発表のGRACELAND(グレイスランド)です。当時21歳だった僕は、3年ほどアルバイトしていた新宿のデザイン事務所から、上野アメ横にある古着屋に正社員として入社した頃に当たります。これからオリジナルTシャツの展開を考えていた古着屋にとってはグラフィックデザインが多少できると言うことが、採用の決め手だったみたいです。古着屋で2回目のTシャツシー

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What song?

What song?

映画の中の音楽のこと。といっても映画全体を通して作られるサウンドトラックということではなく、映画やドラマの中で登場人物が聴いている音楽、偏愛している曲。その1曲が、そのシーンをより鮮明に、よりリアルにしてくれる。そういう視点で最近グッときた3タイトル。

例えば「BOSCH」*1 (ボッシュ)では、ヴェガスに住む別れた妻の元から、一人娘が家出してくる。ロスのバスターミナルに向かいに行くボッシュ。「

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デトロイト美術館の奇跡

デトロイト美術館の奇跡

合衆国の都市デトロイトとのファーストコンタクトは、野球のタイガースでもなく、アメフトのライオンズでもない。自分たちの世代はおそらくロックバンド、キッスによる1976年発表の「デトロイトロックシティ」のはずだ。バーを出て愛車のイグニッションキーを回すとカーラジオが鳴りはじめエンジンも回転し始める、するとあの印象的なギターリフが聞こえてくるというイントロを思い出す。今にして思えば、フォード、ゼナラルモ

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THE AMERICANS

THE AMERICANS

自分たちの店は一般的に「ブックカフェ」と呼ばれている業態。個人的には「ブックカフェ」ってあんまり好きな名称ではなくて使いたくないのですが、いちいち「店舗の入り口側が古本屋になっていて、奥がカフェなんです」なんて説明していると「ああ、ブックカフェなんだ」とか言われちゃって「あ、そうなんです」とか答えちゃってる、みたいなやりとりも面倒なので、「ブックカフェ」ということにしています。

そんなブックカフ

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向田邦子

向田邦子

2019年11月に河出書房から発行された「向田邦子の本棚」という本が手元に来たので、読んでみる。「だれだれの本棚」という類の本は世にたくさん出ているが、この「向田邦子の本棚」はとてもバランスよく纏まっていて、良かった。

向田邦子似の知り合いの女性が「本棚に並んでいる本を見て、人を好きになった」ことがあると言っていたことを思い出す。本棚は持ち主がどんな人なのか、良くも悪くも如実に現れてしまう場所。

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ハーレムの黒人たち

ハーレムの黒人たち

前回からのBlack Lives Matterの流れは続きます。

黒人作家の本を読みたくなる気持ちとは裏腹に、昔は自分の店でも、たまに見かけたボールドウィンやトニ・モリソンも店頭にも書庫にもなく悶々としていると、ふと植草甚一のスクラップブックに黒人をテーマにした号が何冊かあったのを思い出した。20号の「ハーレムの黒人たち」が比較的近いところにあったので手を伸ばしてみる。

ジャズ界の裏話から始ま

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60 Years of Photojournalism

60 Years of Photojournalism

言葉に癒され、刺激されたりするのと同様に、1枚の写真に心揺さぶられる。歴史を知るうえで写真は言葉より少し早道かもしれない。その一瞬を捕らえた写真には言葉をいくつ並べたところでは太刀打ちできない説得力があるのだ。

なぜか背表紙にマルコムXのポートレイトが使われた”60 Years of Photojournalism”は、1940年代から90年代の60年間の報道写真を「戦争と危機」「狩猟と採集」

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岩波新書から3冊

岩波新書から3冊

先日、買取させていただいた膨大な数の岩波新書の中から、値付けをしながらなんとはなしに除けておいた3冊。これといった理由や目的もなく、ただタイトルと帯のコピーを見て面白そうだなと直感で除けただけの3冊が、なんとなく共通していて、大袈裟に言えばこれから自分がどのような視点でものを見て、考えて、選択して、生活していくか、という示唆を与えてくれるのではないのかということに気づき、驚いた。

「東西/南北考

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塩を食う女たち  聞書・北米の黒人女性

塩を食う女たち  聞書・北米の黒人女性

「アメリカの鱒釣り」のリチャード・ブローティガンの作品の翻訳者として知られる藤本和子さんが、1982年に晶文社より刊行したこの本が、一昨年、岩波現代文庫から文庫化されるときに池澤夏樹さんが解説を書かれたこともあって、手に入れていた。入り込むのになかなか手強く枕元の積読コーナーにあったものがようやく日の目を浴びた。

再度手に取り読むきっかけとなったのは、この5月のミネソタ州ミネアポリスで発生した黒

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Cambridge Circus

Cambridge Circus

「ケンブリッジ・サーカス」に掲載されていたポール・オースターと彼の作品の翻訳者・柴田元幸との対談が良かった。

テーマは子供の頃の話。コロナのせいなのかわからないけれど、ちょっと前にSNSで幼少の頃の写真をアップするのが流行ったりして、昔のアルバムを引っ張り出してきた方も多いと思う。昔を思い出すということは少し気持ちを穏やかにさせる効果があるのだろうか、この対談もおふたりの思い出話に頬が緩み癒され

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For the Children

For the Children

先日、静岡の友人でパーマネントという衣料品店を経営しているナベちゃんと久々にメッセージのやりとりをしていましたら「デジタルヒッピー禅」という言葉も出て来たりして…そうだよね、そうかもしれない、ということでこの1冊。確かに禅やマインドフルネスの本が気になる今日この頃です。

ゲーリースナイダー。
ギンズバーグやケルアック等と共にビートジェネレーションの代名詞的存在。26歳から12年、日本に滞在し禅の

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