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オーガニックコスメマニアの必読書「NEAL'S YARD REMEDIES BEAUTY BOOK」の紹介

(いわゆる)オーガニックコスメを本当の意味で知りたい方はぜひとも「手作りしてみてください」

手作りコスメの入門中の入門書ですが、これがよくできており、これから自分でオーガニックコスメをもっと知りたい方はもちろん、プロの化粧品メーカーやサロンオーナーの方、アロマテラピストからヘアサロンオーナーなど、ナチュラルコスメに携わる方全てに共通するテーマが、具体的に体系的に丁寧に紹介されている名著が、「 NEAL'S YARD REMEDIES BEAUTY BOOK−手作りコスメとオーガニックメイクアップ」著者:スーザン・カーティスです。(緑書房ー税別3,800円)

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著者についてはこうあります−「ホメオパシーとナチュロパシーの専門医として医療に従事する一方で、ニールズヤードレメディーズのナチュラルヘルス部門のディレクターも務める。2人の子供を育て上げた今、人々がより自然に近い生活の中で健康に過ごすことができるようにサポートする活動に情熱を注いでいる『ニールズヤードレメディーズBEAUTY BOOK 手作りコスメとオーガニックメイクアップ』より」

この本は私の会社ボタニカルファクトリーが設立された2016年に出版されています。その当時書店で偶然見つけたのですが、内容が面白すぎて2時間も書店で立ち読みしてしまい、さすがに買わずに出るのは忍びないと思い購入した経緯があるほど、とてもとても良く出来ている参考書です。

何がそんなにすごいかを簡単に説明します。

−とにかく、ナチュラルコスメの本質が1冊に網羅されています。−

1)原料の紹介→ナチュラルコスメの原材料についての紹介とその起源など。

2)体の部位ごとの手作りコスメのレシピ紹介とケアのメソッド紹介。
◯フェイス:フェイシャルケアのレシピ/オーガニックメイクアップ
◯ボディー:ボディケアのレシピ
◯ヘア:ヘアケアのレシピ/ヘアトリートメントメソッド紹介
◯ハンド&フット:ハンド&フットケアのレシピ

それだけではなく、SPAを受けるタイミングや女性のお肌の周期によるケアメソッド、美の新たな哲学など、多岐にわたって網羅されています。

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現在の「サスティナブルコスメ」に沿ったビューティーの提案書とも言えます。

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この本は、「自然美」つまり美しさを定義する上で、「美」を自然でホリスティックなものとして捉え、女性のニーズや感情、感じ方をもっと強く反映する世の中の動きに対して、具体的に導いてくれる参考書と言えます。

日本中の化粧品メーカーの開発者がこの本を手にとってくれたら、どれだけ世の中のコスメアイテムのレベルが上がり、女性たちの意識が高まり本当の意味での「JAPAN BEAUTY」に繋がるのではないかと思うほどよく出来ている本です。

それは「化学薬品に頼らず、身近な素材から生まれ、食べ物のような、お肌にやさしい化粧品」であることを基本としたコスメ作りではないかと。

もちろん、イギリスのメーカーから出された本なので若干、翻訳で意図がつかみにくい表現があったり、日本では中々手に入りにくい素材があったりかなりマニアックな部分もあります。

でも、私は新しい処方を作る時、迷いが出たりしたら必ずこの本の手づくりレシピに立ち返りインスピレーションを沸かせることにしており、今やバイブルとなってます。

つまり、まずは美味しい料理を作ってみること。→それから、日持ちや安定性を後から考えて、流通に耐えられる仕様にしていくという流れです。

コスメメーカーは、厚生労働省から認可された許可工場と販売業者しか一般的な製造と販売が許されていません。

そのため、一度事故が起こると、その回収の着手に至る行動から回収報告、そしてお客様への商品の保証まで、巨額のお金と膨大な手間がかかり、何より信用が一瞬で失われてしまう事態になります。

だからとても保守的な考えと品質管理体制にならざるを得ません。

新しい化粧品の開発依頼があると、まず同じような種別の過去の処方例をさぐり、最低でも5年以上何も事故が起こらなかったレシピを基に処方組をしていくのが通例です。

それでも私は、まずはじめにこのレシピブックや世に出ている、いわゆる手作りコスメの処方を元に、「美味しいコスメ」をつくることから始めてます。

リスクはあります。ただ、「とんでもないリスクが起こること」はこれまでの経験上ないと断言できないとプロとして失格です。

そして、自然素材を相手にするから「安定性」には欠けます。

でも、お肌のことを真っ先に考えて商品化する事がメーカーとしての本質なので、「良いものを商品化していく」いわば当たり前の開発を勇気を持って探ることが開発者の使命かとも考えます。

2018年のオーガニック&ナチュラルコスメの国内の市場は、およそ1,500億円。コスメ業界全体のマーケット約2兆6千億円から比べると、まだまだほんの6〜8%の小さな市場。(矢野経済研究所レポートより)

時代の流れとして、これが今後拡大していくことは予想できます。

しかし、それを後押しできるのは、ひとえに勇気持って新しい処方組にチャレンジするメーカーと、ちょっとした「不安定なもの」をお客様と一緒に共有できるような「信頼関係」が構築できるかどうかが、健全なオーガニック&ナチュラルコスメのマーケットの拡大の鍵になるのではないかと思っています。

つまり、この世界はもっと「寛容」であるべきだと。

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冒頭の、この本についての紹介に戻りますが、コスメのことが好きな方、この本から毎日のスキンケアについてあっと驚く視点のメソッドも紹介されてますし、身近なものでこんなに素敵なナチュラルコスメが作られることに感動を覚えることは間違いないでしょう。

「毎朝味噌汁をつくるように、化粧水も普段から手作りしていきましょう」

ーーーーおわりーーーー

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