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中学受験のデメリット:事例研究

昨日の白饅頭さんの日記で進学するのは公立がよいか私立がよいかという相談が取り上げられていた。

白饅頭さんは、相談者にとって人間関係がうまくいきそうな公立をすすめておられた。私もそうするべきだと思ったのだ。

この相談者の場合は公立のほうがあってそうだったので問題ないが、私立のほうが仲間ができそう、、、となると親としてはシリアスな問題に直面する。

ちょうど昨日、同僚の医師からお子さんの中学受験について相談を受けたのだ。奥さんが周りに煽られて、小学校低学年のうちから、SAPIXに入るための塾、みたいなんに通わせないといけないと不安になっているとのことだった。

あるあるすぎますね。

私は、ガチで中学受験するなら、小4から小6まで塾代で毎月10万円、中1から高3まで授業料が毎年100万円で900から1000万円の出費になることから説明した。その上にそれ以前の段階からお金をかけるんですか?そこまでやっても大勢は2月の敗者になり、少なくない敗北感を味わいますよ?それで勉強が嫌になってしまったらどうするんですか?奥さんはそこまでわかってますか?

と軽く問い詰めておいた。

まあ子供のためなら1000万や2000万屁でもないという家庭もあるだろうが、勤務医程度の収入ではなかなかそうはいかない。1000万円を米株に全力投入して2000万円にして相続するほうが子供のためになるかもしれないのだ。もちろん1000万円を節約したからといって子供の教育がおろそかになるわけではない。やりようはいくらでもある。

前のこの記事では私が子供のころどのように勉強したかを書いた。

教育という分野は強いエビデンスを出すのが難しいし、統計学的に有意な差が証明される頃にはみんな死んだり老いたりしてしまう。だから個々のサンプルから教訓を引き出していくしかないのだ。

今回は別の症例を提示する。

そして私がなぜ中学受験に強く反対するのか、個人的理由も開示しようと思う。


そもそも中学受験とは、家庭に経済力があり、本人に適性があり、親が勉強の進捗を管理できるという極めて限られた人々しかするべきではないそれ以外の家庭は失うものが多すぎる
私としては、この世知辛い世の中でより多くの人に楽しく勉強を続けていけるようにと願っているので、こんな一部の人にしか恩恵のない仕組みを推奨することは到底できない。
(なお私は中学受験のときから自分で進捗管理してました)

これらの条件がクリアされたら、有能な人間が1つの場所に集まるメリットがデメリットを上回る可能性が出てくる。やはり子供に根気よく努力させるには仲間の視線があったほうが有利というのは否定できない。ほっといたら漫画やゲームに没頭してしまうのが子供だからね。

こうしたことは以前に書いたので繰り返さない。


一般論はこれくらいにして個別の事例に移ろう。

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