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映画STINGは何故今観てもあんなにカッコ良いのか

1973年の作品。という事は2020年の時点で公開からもう47年も経ってるんですね、全く色褪せんけど。

主演はポール・ニューマンとロバート・レッドフォード。この主役2人がカッコ良すぎです。今作でポール・ニューマンが演じたヘンリー・ゴンドーフこそがウチの長女ちゃんの理想の男性だそうです。ホントにこんなカッコ良いおっさんを婚約者として連れて来たらどんだけ歳の差あってもオッケー出しちゃいますよ多分。

映画としては何度観ても楽しいラストのドンデン返し、スコット・ジョプリンの誰もが知ってるメインテーマをはじめとした音楽が超〜素敵、皆が着てるスーツが全員ホントに洒落てる(この衣装デザインはイーディス・ヘッドさんなんですってよ)と、何から何までが最高の映画の一本。どんでん返し映画の中ではぶっち切りの最高峰と勝手に自分の中で思ってます。勿論ストーリーに粗が無いかと言うとそれはあるんだけど、それ以上に気持ち良さが勝つんですよね。

さて、それでは何故どんでん返し映画の最高峰とボクが考えるのか、を熱く語っていこうと思います。

優秀な騙し映画というのは、作中で隠している事や後出しジャンケンが限り無く少ない事、が大切なのだと思います。

本作を観てない方の為にも何も言えないのですが、例えばオープニング、それぞれの役者の名前と役柄が次から次へと流れていきます、堂々と見せているんですが、そんなの当たり前の光景なので誰も気にしてません。でもそこにいきなり答えが書いてるんですよね、とある秘密の。何度目かの鑑賞時にそれに気付いた時には衝撃でした。

え〜っ!あの人があれだって事をここまで堂々とバラしてるのかい!って。でも初見では勿論絶対わかりません。

他にはロバート・レッドフォード演じるジョニー・フッカー、彼が終盤で思いつめた顔しているシーン、ここもそうです。そこまでの流れ含めて普通に観てたらこのシーンも全く気にせず流してしまうのですが、何度も観てたらわかります。めっちゃ堂々と観客に答え見せてるやん…でもこんなもんわかる訳ないよな初見では。ってくらい自然なのです。

クロースアップマジックで、テーブルの目の前の右手だけにボクらが気を取られてる間に堂々と左手で別のコインを仕込まれてる、そんな感じ。あまりに堂々と見せられている為に逆に分からない。

他には謎の黒手袋の人物の存在に関しても事前にちゃんと示唆するシーンがあったり。つまり観客に何一つ隠す事なく、あとから突然「実は適当な作り話でした〜」みたいにこちらを裏切る展開も無く、全てをテーブルの上に開示してそれらだけで物語を構築しているのです。でもちゃんと騙される、何て清々しい作品なのでしょうか。

勿論最初の復讐の原因となる師匠が殺されてしまうという悲しい事件はあるのですが、その後の主役二人の「詐欺師なのだから復讐も詐欺師らしく行うべきだ」の美学に基づいて話が進むのも素晴らしいです。

敵役のロニー・ドネガンも、結局はお金を奪われるだけであり、命を奪われるような復讐のされ方では無く、だからこそ観てるこちら側が最後に爽やかな気持ちで観終われるのだと思います。

個人的名シーンは、レッドフォードの同僚役の男が鼻を折られながらも「俺もルーサーの仇を討ちたいんだ」って言ったら、既にスーツ着てるのに「よし合格だ!スーツを着ろ!」って言われて高級なスーツをあてがわれる所です。何から何までカッコ良すぎる映画です。

今年の正月にはまさかの兵庫県尼崎市の塚口サンサン劇場さんの限定公開のおかげで劇場で観る事が出来ましたので娘2人と奥さんと4人でいってきました。

あの大画面にも耐えうる主役2人のイケメンぶりはやはり最高でした、男でも惚れるわ。

10回以上観てるのに何度観ても興奮するラストのアレ最高です地球でいちばん誰も傷付かないカッコ良いどんでん返しです最高です何回でも言えます最高です。

この映画を観てないのは本当に映画人生損してると思うので今後も出会う人全員にオススメしたいと思います最高です。

一緒に観た娘らは多分2〜3回目の鑑賞なのですが「前には気付かなかった細かいシーンが、堂々と見せてるのにそれでも騙される、まるで手品のようで改めて感動した」と述べてました。令和を生きる中高生にこの感想を言わせる時点で映画として勝ちだと思います。


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