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JRA賞はもういらないんじゃないか?

2020年のJRA賞が発表されましたが、ぶっちゃけ『もうこれいらなくね?』と思ってしまいました。昨年も同じような事を書いていますが、結局、JRA賞って人気投票なんですよね。投票権を持つ各記者が自分の得意先に忖度しつつ投票をするでしょうし、ほぼ全部の人が名前を公開しているので、投票の秘密もクソもないですし。こんなものをJRAが自社の名前を冠にした賞として発表する事自体がどうかと思います。

なんの為にJRA賞があるのか?

調教師や騎手、馬事文化に関するものは別として、JRA賞は同年に活躍した競走馬を表彰するためにあります。一年間を振り返り、その年に活躍した競走馬を各部門ごとに表彰するわけですね。

と、するとですよ?今年はクロノジェネシスは活躍しなかったんですかね?ラッキーライラックは?各部門には『最優秀』と付いていますが、最も優秀な馬を選ぶためには優秀な馬をピックアップする必要があります。そのためには活躍した馬に思いをはせながら一年をきちっと振り返り優秀だった競走馬を思い出す事が必要ではないでしょうか。

もちろん、各記者が各々の頭の中でそれをしているとは思いますよ?決して好き嫌い仕事上の忖度などで選択するのではなくね。ただ、それは全く見えませんよね。GⅠ2勝馬がそこら辺の未勝利馬と同じく投票なしという結果なのはどうにもモヤモヤしたものが残ります。

だから最優秀のみに投票する現状のシステムでは、活躍した馬でも無かった事にされてしまい、正しく評価されません。それが一年間、自分達の飯の種となってくれた競走馬に対する態度ですか?私個人は全く持って理解できないのですよ。


JRA賞を改善する方策は?

このJRA賞をまともな形に直すには、まず競馬記者に限定した投票権をJRA所属の関係者にも広げる事です。そもそもJRAがJRAの冠を付けた賞を決めるのに部外者のみで決定する事がおかしいのです。ここは、リーディング20位以上の騎手や調教師重賞を勝った馬主辺りに投票権を渡しましょう。重賞は障害を含めて139Rありますが、複数のレースを勝っても一票とすればトータルで100票ぐらいになるでしょう。

増えた分は減らせばいいので、その分は競馬記者の投票権を減らして対応しましょう。これで年数だけ長い記者とか、不可解としか言い様が無い投票をする記者は排除できる可能性は十分ありますよね。

投票方法は、各部門で1~3位を決めて投票します。1~3位にはそれぞれ順位に応じたポイントを付与し、その合計が最も多い競走馬が自動的に各部門の『最優秀』となります。

ただ、年度代表馬は各部門の最優秀が条件となるので、再投票が一番公平かと思います。年度代表馬も部門扱いとして、1~3位まで順位付けて投票すれば1回の投票で済みますが、できれば授賞式をグリーンチャンネル等で放送したいですし、その際にイベント性を高くしたいので、JRA賞の授賞式前に再投票を行い、そのまま授賞式の最後に発表する形が良いかもしれません。

ポイントは付加賞と同じ様に7・2・1の割合で分けようかと思いましたが、これだと甲乙つけがたい時に困るので、6・3・1ないし5・3・1ぐらいの割合がちょうどいいと思います。


私個人のJRA賞は・・

私が考えるJRA賞をポイント制で評価しようと思いましたが、今年は最優秀2歳牡馬ダノンザキッド、牝馬ソダシ、最優秀3歳牡馬コントレイル、牝馬デアリングタクトがほぼ満票なので割愛し、古馬だけを見ていきます。

最優秀4歳以上牡馬は天皇賞・春を連覇し、天皇賞・秋で2着、有馬記念で3着のフィエールマンが1位です。しかし、それ以外は優秀と呼ぶのが憚られる馬ばかりで、辛うじて海外含む重賞4勝、GⅠでは1-1-0-2のダノンスマッシュを2位とし、3位は該当馬なしとしました。

最優秀4歳以上牝馬は最も混戦で、各馬の成績は以下の通りです。

アーモンドアイ  3-1-0-0 天皇賞・秋、ジャパンC、ヴィクトリアM
グランアレグリア 3-1-0-0 安田記念、マイルCS、スプリンターズS
クロノジェネシス 3-1-1-0 春秋グランプリ連覇
ラッキーライラック 2-1-1-2 大阪杯、エリザベス女王杯

記録面では、アーモンドアイは史上最多のGⅠ9勝(笑)、クロノジェネシスは春秋グランプリ連覇、グランアレグリアは春秋マイルGⅠ連覇で短距離路線を準完封、ラッキーライラックはエリザベス女王杯連覇でした。

直接対決では、クロノジェネシスはラッキーライラックに2勝1敗ですが、そのクロノジェネシスにアーモンドアイは勝ち、そのアーモンドアイにグランアレグリアは勝っています。あれ?もしかして一番強いのはモズスーパーフレアなんじゃ・・・


という事で、個人的には1位クロノジェネシス、2位グランアレグリア、3位アーモンドアイとしました。ここで考えなければいけないのはアーモンドアイの取捨ですが、同馬はわずか4戦しか走っていないのはともかく、全4戦が東京競馬場というのはマイナスです。また、レースの格という意味ではトップレベルの2つを勝っていますが、GⅠとして明らかに低いヴィクトリアMが足を引っ張りますね。さらに春はそのヴィクトリアMしか勝っていません。以上の事から、形だけのGⅠ3勝特定の競馬場でしか勝てない年間通しての活躍というのは疑問符が残るという結論に達しました。

翻ってクロノジェネシスはグランプリ連覇という快挙だけでなく、京都、阪神、中山で勝利を挙げ、2月から12月まで一定の間隔で走り、負けた2戦はいずれも僅差のGⅠであれば、年間を通しての活躍という意味で『最優秀』に相応しいと思います。

また、グランアレグリアは春秋マイルGⅠ連覇は大いに評価できますが、若干格が下がるスプリント路線を含んでいますし、ラッキーライラックは6戦を走ったもののグランプリ2戦では離されている上に札幌記念の取りこぼしもありますから仕方ありません。


まぁこの結果は止むを得ないですよね。どうしても東京競馬場で格の高いレースが行われるので、数を使えないアーモンドアイが東京しか走らないのは不可抗力とも言えなくも無いですが、宝塚記念と安田記念で後者を選び、しかも負けているので苦手なコースは頑として出走しない姿勢はマイナス材料にしかなりません。

クロノジェネシスに直接対決で勝っているとはいえ、それは自分が最も得意とするコースという相性面が大きく影響していますし、グランアレグリアにはブッコ抜かれて完敗という点もマイナスです。無敗の三冠馬2頭に直接対決で勝っている点はプラスになりますが、世代ごとの戦いと全世代通しての戦いは評価が違うのは当然ですから、いくら三冠馬とはいえ大幅なプラスになるわけではありません。

結局、年間を通して条件を問わず走って結果を残したクロノジェネシスが一番だと思いました。グランアレグリアは取りこぼし、アーモンドアイは条件付ですからね。しかし、いずれも優秀な競走馬と評するのに相応しい馬たちだと思います。もし、ポイント制ならアーモンドアイとクロノジェネシスが票を分け合い、少し離れてグランアレグリアが続く形になるかな。1頭のみを選ぶのと1~3位を選ぶのでは選出する心構えが違いますからね。


あと特別賞についてですが、これは特定の記録を残した場合に受賞する形が良いと思います。具体的には春秋連覇海外レースの勝ち馬競馬の発展に寄与したケースなどですね。今後、海外挑戦が頻繁に行われるのであれば、海外GⅠ勝利を受賞条件にした海外部門を別に作ってほしいところです。

他にも言いたい事はたくさんありますが、JRAに言いたいことは一つです。

先人に学べ




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