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ソクラテスのすゝめ:D2Cを読んで:D2Cマーケティング戦略の基本

こんばんは。本日はD2Cシリーズ第3弾です。本日はこちらの本を今更ながら読ませていただきましたので何点かハイライトをご紹介させていただければと思います。

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既に出版されてからしばらく時間も経ってますし、書評も散々出ているかと思いますので、本日はこちらの本で取り上げられていた以下の点に着目していきたいと思います。

D2Cのマーケティング戦略の基本用語解説

全体的なD2Cのコンセプトなどにつきましては、以前書かせていただきました下記の記事とそれほど内容に差異はございませんでしたので、要約版としてご参照いただければ幸いです。要はクリエイターが自分たちの製品の裏にある”世界観”をSNSを通じて発信して、それに共感したファンである顧客とともに製品を一緒に作り上げていく。これがD2Cの最短の要約だと思ってます。

正直ソクラテスも現場の人間ではなく、企業戦略を練る仕事をしていますので、以下の記事はマーケティング初心者向けの備忘録としてご認識いただければ幸いです。本書でも取り上げられてました以下の3つの用語について解説させていただきたいと思います。

・カスタマージャーニーマップの概念

・顧客の購買行動を表す4A(+D2Cにおける5A)

・マーケティングの4P(+D2Cにおける4E

以下、D2Cの概念につきましてはそれなりに理解が進んでいるという前提でお話を進めさせていただきます!

カスタマージャーニーマップの概念

カスタマージャーニーマップとは直接的には、製品やサービス体験を時系列的に表現したフローチャートのことを指します。要は企業側が顧客の購買行動を把握するために用いるものです。次に解説します顧客の購買行動を表す4AがD2Cにおいては5Aとなり、同様に従来のマーケティング4PがD2Cにおいては4Eに変化した理由にもなりますが、従来の販売業におけるマーケティング戦略とD2Cにおけるマーケティング戦略で1番変わったことは1)顧客の購買行動における最終目的が”商品を買ってもらうこと”から”顧客のLTV(Life term value)を最大化すること”に変化したこと、2)顧客の購買行動を考える対象が一個人から社会全体に変化したということです。

顧客の購買行動を表す4A(+D2Cにおける5A)

顧客の購買行動を表す4Aとは顧客が商品を購入するまでのプロセスを表現したものとなります(顧客の役割に着目した4Aとは別物です)。従来は以下のようなプロセスで説明されてきました。

1)Awareness(認知):顧客が商品を認知すること

2)Attitude(態度):顧客が企業情報を元に商品に対して何らかのスタンスをとること

3)Act(行動):顧客が実際に購買行動をとること

4)Act again(再行動):実際にとった購買行動をまた繰り返すこと

しかし、上述させていただいたとおり、D2Cにおけるマーケティング戦略が変化したことにより、マーケティング戦略理論で有名なコトラーが以下のように修正を加え、顧客の購買行動を5Aとして修正を加えております。

Attitude→Appeal and Ask(態度→訴求+調査) 
従来:顧客がブランドからの情報をベースに個別に態度を決めていた
D2C:SNS上で顧客がアピールを受ける訴求とそれを踏まえて口コミ等を見ながら顧客が情報収集するようになる調査(結果として商品に対する態度を決める)

Act again→Advocate(再行動→推奨) 
従来:顧客がある商品を気に入れば自らの中で再行動が完結していた
現在:インターネット社会・SNS発信普及によって自分のみならず、まわりの人にも商品を推奨して潜在的な購買者の”調査”の一部となる

マーケティングの4P(+D2Cにおける4E)

元々マーケティングの4Pとはある企業のマーケティング戦略の特徴を理解する上での要素として提唱されてきました。それらがD2Cにおいては以下のように変化します。

Product(商品)>Experience(経験):D2Cでは商品ではなく”体験”を届けるのでそれを考える

Promotion(宣伝)>Evangelism(伝道):D2Cでは企業が”体験”を一方的に宣伝するだけではなく、それに共感したファン(顧客)によって他人に伝道される

Place(場所)>Every place(どこでも):D2CではEC化によって場所の制約がなくなる

Price(価格)>Exchange(交換):D2Cでは提供者都合の値付けではなく、ファン(顧客)に提供される価値に見合った(彼らに提供する価値と交換した)値段が付与される

最後までお読みいただいた方はありがとうございました。本書の内容自体はこれまで既に話題になっていましたD2Cの入門書といった印象ですが、やはり最後にも言及されてますとおり、より焦点になりますのは実際のD2C関連企業の収益性やポストD2Cでしょうか。D2Cプラットフォーマーにつきましては下記記事でも取り上げさせていただいてますので、是非興味のある方はご参照ください。ソクラテスのポストD2C理論ですが、もう少し熟考を重ねてから皆様に意見を共有させていただきたいので、もう少しお待ちいただければと思います!皆さんのご意見・感想・質問お待ちしております!!



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