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Clubhouseの100億円評価からソクラテスが考えるPodcast市場の未来(2)

こんばんは。先日取り上げさせていただいたPodcastシリーズ後半として、本日は世界各国のポッドキャスト市場規模及び今後の展望について取り上げていきたいと思います。前半についてはポッドキャスト市場を巡る直近の動向について下記にまとめさせていただきましたので是非ご参照ください!


まず、結論ありきですが、ポイントは以下の3点です!

・世界のグローバル音声コンテンツ市場は13.5兆円といわれており、そのうちポッドキャスト市場を含む音声配信市場は1.5兆円程度と推定されてます。

・日本の音声コンテンツ市場規模は総務省の2017年統計に基づくと7,500億円。うちポッドキャスト市場を含む音声配信の市場規模は82億円程度。

人は目的に応じてコンテンツ体験の最適化を行っているということから動画配信サービスとはまた違った形で差別化して音声配信市場は伸びていく可能性が高いとソクラテスは考えてます。

図表も交えて少し詳細に解説していきます!

世界の音声コンテンツ市場について

今年1月に中国2番手のLizhiが上場を果たしましたが、同社の上場申請書に基づきますと、世界のグローバル音声コンテンツ市場は2019年で13.5兆円と言われています。音声コンテンツ市場の定義は以下のようになっており、要は1)オンライン音声サービス、2)ラジオ等の従来型の音声コンテンツ、3)音楽コンテンツ全般を含んでおります。

The pan-audio entertainment market consists of (i) online audio, which mainly includes podcasts, online radio, audiobook, audio live streaming, audio social network, and other interactive audio entertainment, (ii) offline audio, which mainly includes traditional radio, and (iii) online and offline music services.

また、そのうちポッドキャスト市場を含む音声配信市場は1.5兆円程度と推定されており、上述した分類のうち1)のオンライン音声サービスのことを指しています。

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同資料に基づくと、1.5兆円の市場のうち、最大市場の米国が6割程度の8,900億円、中国が2割相当の4,400億円程度とのことです。今後市場全体では2023年までに年率25%程度で現在の倍以上の3.4兆円程度まで成長すると予想されています。牽引役は中国市場で2017年から5年間の平均市場成長率は+45%程度と予測されています。

日本の音声コンテンツ市場について

これに対して日本の音声コンテンツ市場ですが、総務省によりますと以下のような構成となっております。2017年時点で市場全体で7,500億円。うちポッドキャスト市場を含む音声配信の市場規模は82億円程度となっています。

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ポッドキャスト市場を含むネットオリジナルの割合は音声コンテンツ市場全体の1%程度となっており、米国や中国などの市場と比べるとまだまだ市場の成長余地は大きいようにも個人的には思います!

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音声配信市場の未来について

結論ありきで申し上げますと、日本のポッドキャスト市場の成長余地は大きい上にソクラテス的には今後必ず伸びていくと考えています。既に世界のポッドキャスト市場についてまとめさせていただきましたが、1)グローバル市場全体としてまだ伸び続けていること、2)日本の市場は世界に比べてまだ黎明期にあるということ、こちらの2点については既に自明だと思いますのであえて深堀はしません。

より本質的な部分でなぜポッドキャスト市場が伸びるのか?というところを考えていきたいのですが、それはずばり人間のコンテンツ体験の最適化という観点から勝機があると思っています。

よく音声配信市場の議論をするときに映像も加わる動画配信には勝てないという意見をいただきますが、ここで言いたいのは享受するコンテンツ情報が多い=優れたコンテンツとは必ずしもならないということです。1番分かりやすいのが走りながら音楽を聴くという行為です。走る際に人が動画ではなく音楽を聴く理由は感覚的には当たり前ですが、これを少し一般化しますと、人は目的に応じてコンテンツ体験の最適化を行っているということを意味します。

少しわからいづらいので具体例を交えますと、エンタメを享受するということが目的になっているのであればそれをより見る・聞くというより多い情報量で実現する動画コンテンツの方が音声コンテンツよりも選好されることになります(音だけですと、”見る”という行為が手持ち無沙汰になってしまいますので)。一方で走ること(外で走る場合を前提にしています)が目的の人にとっては、見るという行為は(周りを見ないといけないという意味で)走るという行為に内包されてしますので、コンテンツ情報としてこれ以上必要とされていません。一方で走者は”走る”という体験を最大化するために走る行為ではさほど重要にはなってこない”聞く”という体験を最大化しようとします。もちろんその手段として動画配信を流すのもありですが、だいたい動画配信というものは聞くと見るという2つの行為をセットで行うことを前提に作られているので、聞くという行為だけを最大化するのであればその行為に特化した音声コンテンツを聞く方が理にかなっているということです。

少し長くなりましたが、本日も最後までお読みいただいた方ありがとうございました!少し最後はまとまりがなく、わかりづらかったと思いますが、コンテンツにも適材適所という言葉があり、音声コンテンツは音声コンテンツ市場で独立した市場を築くということです。そしてその中で音声配信市場という市場はまだまだ小さいのでこれからまだまだ成長余地は大きいということです。皆さんのご意見・感想・質問お待ちしております!!



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