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【オンラインショップ更新】特集 かいじゅう絵本

いつもご覧いただきありがとうございます!

古本とがらくた paquet.オンラインショップ更新のお知らせです。

絵本の話をするとき、よく好きな絵本として名前が挙がるのがセンダックの「かいじゅうたちのいるところ」
国や時代を超えて愛されているすばらしい作品ですよね。

絵本は基本的には児童向けの創作物ということもあり、動物が登場する作品は数えきれないほどありますが「怪獣」が登場する作品にはほかにどんなのがあるのかな?
在庫をしらべてみたらけっこうあったので、「かいじゅう絵本」というのがジャンルとして成立するのかはわかりませんが(笑)今回まとめて紹介してみようと思います!

ちなみに怪獣の定義は、日本大百科全書(ニッポニカ)によると、
【奇怪な、あるいは不思議な形体や生態の獣。学術的なことばではないが、だいたい次の四つに分けられる。(1)恐竜を中心とする太古の動物。(2)空想上の動物。(3)実在するといわれる謎(なぞ)の動物。(4)SFや映画に登場する動物。[梶 龍雄]コトバンクより引用】
とのことです。

かんたんに説明のつかないものが好きなので、こういう記述を見るだけでわくわくしてしまいます。。。
それでは紹介に移りましょう◎

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「せかい一わるいかいじゅう」

パット=ハッチンス 
文・絵
乾 侑美子 訳
1990年8月 偕成社
 発行


一冊目は「ティッチ」「ロージーのおさんぽ」などで有名な絵本作家、ハッチンスのキュートなかいじゅう絵本。

ゴブリンみたいな緑色のかいじゅう姉弟をめぐるお話です。

かいじゅうの女の子、ヘイゼルの家にうまれたあかちゃんかいじゅうビリー。
みんな彼を「せかい一わるいかいじゅうになる」といいますが、ヘイゼルは自分がいちばんわるいかいじゅうになると信じているので、弟の存在が気に入りません。
ヘイゼルはなんとかして弟を追い払ってしまおうとしますが、「せかい一わるいかいじゅう」ビリーは──。

ユニークなかいじゅう家族の日々が明るい色彩と簡潔な文章で綴られた、ハッチンスらしい愉快なかいじゅう絵本です。


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「ぬすまれたかいじゅうくん」

マックス・ベルジュイス 作

くすだ えりこ 訳

1978年8月10日 ほるぷ出版 発行

ものすごいタイトルとなんだかまぬけな表紙の絵に注目してしまう一冊。

オランダの絵本作家ベルジュイスによるかいじゅう絵本は、こころのやさしいいかいじゅうくんを盗もうとする盗賊たちとかいじゅうくんの住む街の人々との抗争を描いた(ちょっと物騒な)物語です。

盗賊たちがかいじゅうくんを盗むために立てた作戦は、料理番が作ったおいしいおかしに眠り薬を入れてかいじゅうくんに食べさせるというもの。
かいじゅうくんはおかしが大好きなのだそうです。かわいいですね!

余談ですが、わたしはこの絵本のまんなかあたりに載っている見開きの絵が大好きです。力が抜けてしまうほどまぬけで、けれど登場人物たちは真剣で、状況がたまらなくポエティックで……ベルジュイスの魅力がぎゅっとつまっています。

同作家による前作「こころのやさしいかいじゅうくん」がもとになっていますが、この一冊だけでもたのしめるようになっています。


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「カングル・ワングルのぼうし」

エドワード・リア 文
ヘレン・オクセンバリー 絵

にいくら としかず 訳

1975年10月25日 ほるぷ出版 発行

「ホットケーキに そっくりの おいしいおかしの はをつけた
クランペティの 木のうえに カングル・ワングルが すわってた。」

題材となっているのはイギリスのイノセンス詩人、エドワード・リアの詩。
おなじくイギリスで活躍した絵本作家、ヘレン・オクセンバリーが繊細な絵をつけた、うつくしい詩の絵本です。

作中に登場する「カングル・ワングル」というのは、木の上に住んでいる、姿の見えない──というのも、そのほとんどが大きな毛皮のぼうしに隠されている謎の生き物のこと。
素敵なぼうしのカングル・ワングルにもとには森の動物たちが次々に訪れるのですが、そのだれもが少々変わった見た目をしています。

「金ぴかライチョウ」「足ゆびのないポブル」「ギリシャ生まれのこぐま」ほかにもいろいろ……


作者のエドワード・リアは1812年にロンドンで生まれ、幼いときから病弱でしたが類希な作詩と絵の才能に恵まれ、ヴィクトリア女王にも絵画の手ほどきをしたのだそうです。
病気の保養と取材のために各地を巡り、収入の大部分を貧しい人々に分け与えたことでもしられています。

「イノセンスの桂冠詩人」を自称した彼がどんな人物だったのかを教えてくれるような、時を超えた名作絵本だと思います。


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「ゼラルダと人喰い鬼」

トミー・ウンゲラー 作

たむら りゅういち
あそう くみ 訳

1977年9月10日 評論社 発行

「すてきな三にんぐみ」でしられるフランスの人気絵本作家、トミー・ウンゲラーの怪作(だとわたしは思っています)。

物語の舞台は人喰い鬼の恐怖に怯える町。
朝ごはんに子どもを食べるのが大好きな人喰い鬼がゼラルダという少女に出会い、彼女を食べてしまおうとしますが、いろいろあった末に彼女が作ったごちそうの美味しさの虜となり、以来人喰い鬼は子どもの味などすっかり忘れて町から子どもが消えることがなくなりました、というハッピー・エンドのストーリーです。
本当にハッピー・エンドかどうかは、ぜひ自分の目をたしかめてみてください。ウンゲラー得意のジョークが効いたおもしろい作品だと思います。

とても人間らしい鬼ですし、彼をかいじゅうに含んで良いのかは微妙なところですが……(笑)
ゼラルダの作るすてきなお料理の数々も見どころです。


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「WHERE THE WILD THINGS ARE」
STORY AND PICTURES BY MAURICE SENDAK
1975年 新版発行 BODLEY HEAD社(イギリス)

最後は言わずとしれたセンダックの代表作「かいじゅうたちのいるところ」
ロンドンの出版社BODLEY HEAD社が1975年に発売したニューエディション。今回は1985年にリプリントされたものが入荷しました。

オオカミの着ぐるみを着た主人公、マックスがいたずらをした罰として放り込まれた寝室からはじまる「かいじゅうたちの国」への冒険。
わたしも大好きなセンダック作品のひとつです。

日本では手に入りにくいバージョンの洋書かと思います。
ぜひチェックしてみてください◎

オンラインショップでお買い物をされたお客様には購入特典として、わたしの個人的な読書記録をまとめた小冊子「なにかよむもの」を一回のご注文につき一冊同封してお届けします。

オンラインショップの新商品販売開始は今夜21時です。

最後に、春のイベント情報です(増えました!)

★3月28日(日) たちばな大木戸ひなた市(愛知県名古屋市日置神社)
★4月11日(日)market soko(愛知県名古屋市中区平和町2-16-20高架下倉庫内)
★4月18日(日) 美殿町 本 通り2021春BOOK MARKET(岐阜県岐阜市美殿町の古本屋「徒然舎」さん前)
★4月24日(土) 名古屋アンティークマーケット(愛知県名古屋市東別院境内)
★4月29日(木) GOOD OLD THINGS(愛知県岡崎市「岡崎製材ハウズ」さん内)

各イベントの詳細、最新の出店情報はインスタグラムから。
お近くの方は無理のない範囲でぜひ遊びにいらしてくださいね◎

それでは、今週末もたくさんの
ご注文をお待ちしております!

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