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【オンラインショップ更新】特集 江國香織訳の絵本

こんにちは!
古本とがらくた paquet.オンラインショップ更新のおしらせです!

今週はわたしが敬愛する小説家であり、海外文学の翻訳も多数手がけられている作家、江國香織さんが訳した絵本を紹介します。

学生時代に出会って過去の著作をどんどん読み、新刊を追いかけて、わたしは自分のことを今では「江國香織の恋愛小説育ち」だと思っています(笑)
好きすぎるあまりに彼女の作品を語るには主観が入りすぎるし、その魅力をことばで表すのはとてもむずかしいので、気になる作品があればぜひ手にとってみてほしいです。

また、今回オンラインショップに商品を掲載するにあたって翻訳絵本の在庫をしらべ、品切れの多さに驚いてしまいました。
今回掲載した商品はすべて出版社品切れ、今現在市場に出回っている商品が売り切れればもう新品で買うことはできないし、もし重版されなければ今後ますます手に入りづらくなるということです。

わたしは一読者であると同時に生業としての古本屋でもあるので、そのあたりのことを日々考えながら仕事をしていかなくてはいけないんだなとあらためて思い知らされました。
一冊一冊を大切に扱っていきたいです。

それでは紹介していきます。
まずは大好きなマドレーヌちゃんのボードブックから。

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「マドレーヌとどうぶつたち」

ジョン・ベールマンス・マルシアーノ 作
江國香織
 訳

2006年8月1日 BL出版 発行

パリの寄宿学校に暮らす12人の女の子たち──のなかでもいちばんのおちびさんのマドレーヌを主人公にした物語のシリーズをつくったのは、ルドウィッヒ・ベールマンス。
彼の死後、シリーズは孫であるジョンに引き継がれ、日本語版の翻訳者は瀬田貞二さんから江國香織さんに引き継がれました。

本作はマドレーヌがいろいろな動物たちと出会うようすが描かれたかわいらしいボードブックです。
大好きなシリーズがかたちを変えてつづいていくというのは、読者にとって嬉しいこと。

シリーズものですが単体でも読むことができ、本編より低年齢向けの単純なストーリーなので、マドレーヌが好きな方はもちろん、はじめて出会うマドレーヌちゃんとしてもとってもおすすめの一冊です。


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「カプチーヌ」
タンギー・グレバン
 作
カンタン・グレバン 絵
江國香織
 訳

2003年10月20日 株式会社 小峰書店 発行

ベルギー・ブリュッセル生まれの二人が描いたファンタジー。
お父さんが魔女の首かざりから真珠をひとつぶ盗んだ罰として呪いをかけられ、背丈が縮んでしまったカプチーヌという女の子が呪いを解いてもらうために魔女のお城へとでかける冒険物語です。

動物たちをともない、かんたんにはいかない旅となりますが、お城はすてきで、魔女は慈悲深く、カプチーヌは勇敢です。絵と文と訳が一体となって見せてくれる結末に読者は優しい気持ちになれるはず。

今は手元にありませんが、成長したカプチーヌが魔女見習いとして活躍する続編も出ています。品切なので手に入りにくいかもしれませんが、ぜひあわせて読んでほしい作品です。


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「ふるびたくま」
クレイ・カーミッシェル
 作
江國香織
 訳

1999年8月1日 BL出版 発行

ずっとクララのお気に入りだったくま。
うすよごれて、すりきれて、おんぼろになりかけていました。
くまは、おんぼろになったものたちがどうなるのか知っていました。
「ぞうきんにされたり」「物置きに放り込まれたり」「ガレージセールで売られたり」するのです。

くまはそれ以上すりきれないように、できるだけ動かず、しずかにしていることにしました。
クララが遊びに誘っても応じず、眠るときにはクララのベッドを抜け出してソファで眠ります。そのほうがすりきれないと思ったからです。
クララは自分が大切にしているくまにそんなふうにされて、どう思ったでしょうか?
クララはある日くまをおいてでかけ、帰ってくるとドアにかぎをかけて閉じこもり、くまが呼んでも返事をしませんでした。
捨てられるんだ──そう思ったくまは、裏口から外に出て、捨てられるのを待ちます。
でも、クララはもちろん、くまを捨てたりなんかしませんでした。

お気に入りだからこそふるびていくことの切なさや、自分にとって大切なもの大切にしつづけることの豊かさ。
パステルカラーのやさしい絵とシンプルに訳された文章から与えられるものははかりしることができません。
ふるびたくまがどうなったのか、ぜひ手にとってたしかめてみてください。


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「おひるねのいえ」
オードリー・ウッド 作
ドン・ウッド 絵
江國香織 訳
1993年5月10日 ブックローン出版 発行

「おひるねのいえでは みんなねています。」

くりかえし登場するフレーズ、雨のふる昼間に家のなかで睡るひとや動物の、幻想的な絵。

わたしは絵本の見開き(表紙と裏表紙をめくった部分で、無地だったり、絵が描いてあったりする、物語のはじまりとおわりの扉みたいなページです)が好きなのですが、この絵本の見開きは、表紙側が重たい灰色、裏表紙側がミント・ブルー。

どうしてなのかは読めばわかります。
絶版であることが惜しい、みんなに教えたい本当にうつくしい絵本です。


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「ステラがうんとちいさかったころ」

メアリー=ルイーズ・ゲイ 作
江國香織
 訳

2010年2月26日 株式会社 光村教育図書 発行

カナダ発、おてんばステラとおとぼけサムの仲良し姉弟シリーズから。

今では弟のサムに物語だって読んであげられるようになったステラが、ちいさかったころどんなふうに世界を見ていたのかが描かれた、かわいらしくてノルタルジックな絵本です。

あかるい色彩であふれたステラの世界はちいさいころも今も変わらず、いきいきと輝いています。

最後にもう一冊、今の季節のぴったりなステラの絵本を紹介しますね。

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「ゆきのひのステラ」

メアリー=ルイーズ・ゲイ 作
江國香織
 訳

2003年10月20日 株式会社 光村教育図書 発行

「これは サムのみる はじめての ふぶきです」

雪を見たことがなかった弟のサムに、お姉ちゃんらしく雪遊びを教えるステラ。

「ゆきって たべられるの?」「シロクマたちは たべるわ」「コーンフレークみたいに あさごはんに たべるのよ」「ミルクを かけて?」「そう。それに、おさとうも かけるわね」

かわいらしいやりとりがとりとめなくつづきます。

雪だるまをつくったり、そりに乗ったり、天使になったり。
めいっぱい雪をたのしむようすにこちらまで身体がうずうずしてきて、雪がふらないかなあと思わず空を見上げてしまうような絵本です。

オンラインショップはこちらから⇩⇩

新商品は今夜21時よりご購入いただけるようになります。


オンラインショップでお買い物をされたお客様には購入特典として、わたしの個人的な読書記録をまとめた小冊子「なにかよむもの」を一回のご注文につき一冊同封してお届けします。(なくなり次第終了です。)

日常が戻らず、思うように仕事もできなくて息がつまりそうですが、本を読むことで見える世界がひろがり、どうにかやれているような日々です。

今週末もご注文をお待ちしてます。































































































































































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 作
江國香織
 訳

2006年8月1日 BL出版 発行

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