ほんとのつながり

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マガジン

  • 読書日記

    その日たまたま読んだ本のなかから、印象的な文章を抜書きするとともに、その日の思い出を簡単に添えた日記。

  • 本の紹介

    本の紹介をしています。紹介した本は、読書メーターにも掲載しています。 https://bookmeter.com/users/1339281/bookcases

記事一覧

読書日記【029】整理し目を通す

しとしと雨が降る。シルクのようになめらかな海を、ビルの屋上から老人たちが無言で見つめてい…

読書日記【028】翻訳して届けてくる

喉が渇き、夜更け、自動販売機を探し歩く。大通りの灯りが次々と消え、24時間営業のコインラン…

読書日記【027】相手を恐れさせよ

ワイシャツにスラックス姿の父親が、片手でゆっくりとサッカーボールを地に転がす。その跡を小…

読書日記【026】洋燈の力の届かない

プールサイドに一匹の蜻蛉がやってくる。はるかさきの崖に、とんびの滑空する影が落ちる。崖の…

本の紹介:読書日記から5冊【016-020】

過去の読書日記に引用した本について、5冊分まとめて紹介。 【016】ジョアオ・ビール『ヴィ…

読書日記【025】名句を思いだす

朝、くすんだ色の雲が幾重にも塗り重なり、霧のような雨が降る。道行く人は誰も傘を開かない。…

読書日記【024】新婚旅行

夜、海辺の方角に柔らかな橙色の明かりが灯る。海の家の営業が始まったか。近づいてみると、公…

読書日記【023】両手の物語

日が暮れたあとの街をみんながぶらついている。縁側で西瓜を食べる子どもたちもいて、絵に描い…

読書日記【022】勝利の栄冠

二人の男女が裸足で浅瀬に立っている。手を繋いで、海の向こうを見つめている。夕暮れの海風が…

読書日記【021】罠に身体を預けたまま

通りに男がたたずんでいる。旅館の庭先をただ凝視している。くもり空の下でいびつなほど鮮やか…

読書日記【020】ドア・ストップのように

暮合いの海辺で、小さな双子がぴょんぴょん飛び跳ねているのを見る。波が押し寄せてくるたびに…

本の紹介:読書日記から5冊【011-015】

過去の読書日記に引用した本について、5冊分まとめて紹介。 【011】ミラン・クンデラ『笑い…

読者日記【019】古典作品の魅力

夜中、窓を開けて外の空気を吸う。雨、しっとりとした夜気。金魚鉢からあぶくのはじける音がす…

読書日記【018】人の温もりを浴びる術

昼に家族と散歩する。雲と雲の間の底に青空が見える。電線の上に一羽の鳥が止まる。あれは山鳩…

読書日記【017】小さなひと手間

穏やかな海、白糸のような雨。途中駅で修学旅行生の団体が搭乗、電車の中はにわかに騒がしくな…

読書日記【016】つかず離れず

砂浜に海の家の骨組みが。雲間から朝日が顔を出すと、渚を散歩していた人びとや犬たちが蜘蛛の…

読書日記【029】整理し目を通す

しとしと雨が降る。シルクのようになめらかな海を、ビルの屋上から老人たちが無言で見つめてい…

読書日記【028】翻訳して届けてくる

喉が渇き、夜更け、自動販売機を探し歩く。大通りの灯りが次々と消え、24時間営業のコインラン…

読書日記【027】相手を恐れさせよ

ワイシャツにスラックス姿の父親が、片手でゆっくりとサッカーボールを地に転がす。その跡を小…

読書日記【026】洋燈の力の届かない

プールサイドに一匹の蜻蛉がやってくる。はるかさきの崖に、とんびの滑空する影が落ちる。崖の…

本の紹介:読書日記から5冊【016-020】

過去の読書日記に引用した本について、5冊分まとめて紹介。 【016】ジョアオ・ビール『ヴィ…

読書日記【025】名句を思いだす

朝、くすんだ色の雲が幾重にも塗り重なり、霧のような雨が降る。道行く人は誰も傘を開かない。…

読書日記【024】新婚旅行

夜、海辺の方角に柔らかな橙色の明かりが灯る。海の家の営業が始まったか。近づいてみると、公…

読書日記【023】両手の物語

日が暮れたあとの街をみんながぶらついている。縁側で西瓜を食べる子どもたちもいて、絵に描い…

読書日記【022】勝利の栄冠

二人の男女が裸足で浅瀬に立っている。手を繋いで、海の向こうを見つめている。夕暮れの海風が…

読書日記【021】罠に身体を預けたまま

通りに男がたたずんでいる。旅館の庭先をただ凝視している。くもり空の下でいびつなほど鮮やか…

読書日記【020】ドア・ストップのように

暮合いの海辺で、小さな双子がぴょんぴょん飛び跳ねているのを見る。波が押し寄せてくるたびに…

本の紹介:読書日記から5冊【011-015】

過去の読書日記に引用した本について、5冊分まとめて紹介。 【011】ミラン・クンデラ『笑い…

読者日記【019】古典作品の魅力

夜中、窓を開けて外の空気を吸う。雨、しっとりとした夜気。金魚鉢からあぶくのはじける音がす…

読書日記【018】人の温もりを浴びる術

昼に家族と散歩する。雲と雲の間の底に青空が見える。電線の上に一羽の鳥が止まる。あれは山鳩…

読書日記【017】小さなひと手間

穏やかな海、白糸のような雨。途中駅で修学旅行生の団体が搭乗、電車の中はにわかに騒がしくな…

読書日記【016】つかず離れず

砂浜に海の家の骨組みが。雲間から朝日が顔を出すと、渚を散歩していた人びとや犬たちが蜘蛛の…