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「ルーティーン」の個人性

「手で台を拭かない」「(ボールや手に)息を吹きかけない」というルールです。

卓球を知らない人からしたら「だから何?」でしょう。でも中学と高校の部活動でどっぷり浸かっていた身からすると、これは相当やりづらい。

私もよくプレーの合間にボールや手に息を吹きかけました。台も拭きました。汗が気になるという理由もありますが、このちょっとしたルーティーンをテンポよくこなすことで集中力が高まり、自分の間合いでプレーできたのです(テニスの選手がラケットのガットをいじる行為に似ているかも)。

サーブのときはまずボールをラケットでフロアに何度か突く。そして手のひらとボールに息を吹きかけて「さ、一本!」と叫ぶ。レシーブの際は相手にボールを返し、軽く台に触れてから「さっ!」と腰を落とす。これが勝負どころで精神を研ぎ澄ませるための私のルーティーンでした。

これを規則で妨げられるのは「いつもの枕は使用禁止」と通達されるようなもの。たかが枕じゃんと第三者は笑うでしょうが、眠りの浅いタイプにとっては死活問題。この場合、いつもの枕にいつもの角度で頭を載せてリラックスする行為が睡眠に入るためのルーティーンなわけです。

もしイチロー選手が腕を回してユニフォームの袖を直す仕種をルールで禁止されたら、はたして第2回WBC決勝におけるあの感動的なヒットは生まれたでしょうか? ルーティーンの価値と必要性は本人にしかわかりません。社会人の中にも「仕事モードに切り替える」ためにルーティーンを導入している人は多いはず。

コロナ禍だから仕方ないと言えばそれまでですが、この辺の議論はデリケートな事情ゆえに、もっと時間をかけて案を煮詰めて欲しかったです。

東京五輪、もうすぐ開幕。。。

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