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「自分のため」と「他人のため」

元女子プロレスラー・ブル中野さんのYou Tubeチャンネルをよく見ます。↑の神取忍選手との対談は特に興味深い内容でした。

神取選手はジャパン女子時代、ジャッキー佐藤選手といわゆる「シュートマッチ」をおこない、顔面パンチでボコボコにしたことがあります。触れたくないテーマだったはずですが、ブル様が上手く話を引き出してくれました。相手をリスペクトし、礼儀と距離感を大事にしながらもツッコむべきところは忖度しない。見事な司会進行でした。

レスラーは総じて「自分自分」という我の強いタイプが多い印象を受けます。そういう「欲」がないと頂点に立てない。「欲」を抱くのは悪いことではありません。なぜなら地位が上がるということは、収入と共に責任やプレッシャーも増すことを意味するから。仕事において上を目指す「欲」は背負う「覚悟」と表裏一体です。

もちろん「欲」と「覚悟」だけではトップに立てません。様々な本を読んだりお話を伺ったりした限り、成功する人は皆「真逆の二面性」を持っています。ブル様の場合は天然なのに頭の回転が速い、大らかな人柄だけど重要な話では細かい点まで妥協しない、など。

「欲」も「覚悟」も突き詰めれば自分のため。その真逆といえば何か? そう「他人のため」です。 

ブル様は1990年11月、アジャ・コング選手との金網デスマッチでゲージの頂上からギロチンドロップを放ち、女子レスラーとして初めて「週刊プロレス」の表紙を飾りました。金網の高さが4メートルで彼女は170センチ。つまり5メートル70センチの高さから飛び降りたわけです。

一歩間違えれば自分はもちろん、対戦相手の命にもかかわる。それでも己が業界のトップでいるため、そして会社を潤わせて社員やレスラーの生活を守るためにブル様は決死のダイブを敢行しました。誰にでもできることではありません。心の底から尊敬します。

そして姿や話し方は変わっても、高レベルで拮抗する「自分のため」と「他人のため」のバランスはいまも不変。今回のインタビューを見て、その事実がいちばん心に残りました。

ブル様、素晴らしい動画をありがとうございました。

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