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ハードボイルド書店員が「憲法記念日」に考えたこと

5月3日は憲法記念日でした。

この種の議論を喚起するメディアの姿勢には共感します。ただ「賛成」61%という書き方には大雑把な印象を受けました。

どうしても「憲法改正=9条の話」みたいなイメージがありますが、それだけが論点ではない。たとえば憲法裁判所の設置も重要なテーマです(私は賛成)。改正の手続きを定めた96条自体を見直そうという動きも出ています(これには反対)。

9条を変えるにしても意見は多種多様です。いま私が考えているのは「専守防衛」を強調し、当面は「個別的自衛権」に限定し、自衛隊を戦力と認めたうえでしっかり法規を定めて統制する、というもの。日米同盟の維持は不可欠ですが、米軍の起こす侵略戦争に巻き込まれないための自主性をまず確立し、それから改めて安全保障のあり方を話し合う。

曖昧さを排し、文言通りに憲法を守ることへの意識を高めていく。いわゆる「立憲的改憲」です。

ゆえに自民党の改憲草案には反対です。つまり改憲には賛成だけど、いまの政権下でおこなうのは反対という立場。もしこれをアンケートで回答したらどう解釈されるのか? ザックリと「賛成」か「反対」のどちらかにカウントされてしまうような。。。

憲法に関しては様々な本が出ています。ぜひお近くの書店でチェックしてみてください。私はとりあえず、誰の解釈にも染まっていない原文そのものの通読をオススメしています。↓とか。

学者や有識者の見解に触れるのは、自分の意見を持った後でいいと思っています。高名な人の言っていることが必ずしも正しいわけではないですから。そして現政権は条文を変える云々の前に、まず現行の憲法をちゃんと守ってほしい。たとえば「健康で文化的な最低限度の生活を営む権利」は守られているといえるでしょうか?

引き続き考察していきます。

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