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本当に「誰でもできる仕事」ですか?

「社会に必須な仕事」と擁護していますが、たぶん上辺だけ。↓のくだりにも表れています。

「一般的に底辺職と呼ばれている仕事は、社会を下から支えている仕事です。そのような方がいるからこそ、今の自分があるのだということには気づきましょう」

「そのような方がいるからこそ、今の自分がある」と感謝していたら「底辺職」なんて語彙は出てこないのでは?

あと気になったのは、底辺である理由として「誰でもできる」や「同じことの繰り返し」を挙げている点。

ここはシンプルな対応でいいでしょう。「誰でもできるってことは、あなたにもできるわけですね?」と。

コンビニ店員は、AIには代替不能といわれています。それぐらい業務が多岐に渡り、臨機応変で素早い対応を求められるから。

トラックの運転手が誰でもできる? 少なくとも私にはできません(大型免許がないし、取れたとしても体力的に)。倉庫作業員もムリ。↓を読めばわかります。

仕事に関する文脈で用いられる「できる」は、一日や二日だけ働くことを意味しません。暇な平日の朝に書店のレジに一時間だけ入って「同じことの繰り返し」と見下されても困る。

業務をひと通り覚え、間違わずにこなせるようになり、なおかつ安定的に長期間勤めて、初めてお店や社会に貢献したといえる。ここが「できる」と認められるスタートラインでしょう。

↑のランキングを書かれた方は、自らが「最底辺」と位置づけた「誰でもできる」仕事を、どれかひとつでも「できる」状態まで積み上げた経験があるのでしょうか? あったら本心からのリスペクトがもっと文章に滲み出るはず。

ランクインこそしていませんが、書店員も大変なのに稼げない仕事の日本代表です。でも私は続けます。「底辺だね」と嗤う人にはこう返します。「収入面ではそうでしょう。でも私はあなたにはできないことをやっています」と。

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