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「伝統保持」と「革新」のバランス

木谷オーナーの話が印象に残りました(1時間34分30秒ぐらいから)。特に現場に対する「古い・遅い・変化を嫌ってる・固い」という苦言。

この2年間、コロナ禍でもファンは何かにすがるように安くないチケットを買い、声が出せなくても会場へ足を運びました。なのに急所打ちや乱入で終わるメインを何度も見せられたらどう思うか。

もちろん人生がそうであるように、プロレスにもバッドエンドは起こり得る。ハッピーエンドを盛り上げるにはタメが不可欠だし、いつも正義が勝つなんて嘘くさい。百も承知です。しかしたとえばモノが売れない時に消費税を上げても逆効果。必要なのはわかるけど「いまじゃない」のです。

悪い奴がいてもいい。いてほしい。でもやり方はアップデートしないと。

「入門する年齢を若くする」や「新人向けの実戦の場を作る」にも同意します。

ただ「若手がみんな黒パンツ&坊主で無個性なんて古い」は違います。ヤングライオンの見た目と使う技がほぼ一緒なのは、見栄えのするムーブや言葉やルックスに頼らずに客を沸かせる腕を磨くため。

営業マンと同じです。まずはマニュアルトークで結果を出せるようになる。独自の武器云々は次の段階。困った時に戻る「基本」が疎かだと、スランプから容易に立ち直れません。

しかも面白いことに、ちゃんと各々個性が浮かび上がっている。大岩選手は心優しい正統派、中島選手は男臭い雑草系、藤田選手は気の強い鉄砲玉。会社が作ったわけではない、佇まいから滲み出た生のキャラクターです。それらを見定める意味でも、色のない時間は必要かと。

つまりこの点に関しては「古い・変化を嫌ってる・固い」で正解なのです(新人の時期がやや長過ぎる=独り立ちが「遅い」とは感じますが)。

変えるべきは速やかに変え、残すべきはぶれずに残す。伝統保持と革新のバランスをいまの政府に、いや木谷オーナーに期待します!!

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