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好きなことにハマろう

書評行きます!

「村上朝日堂」(新潮文庫) 1987年出版 336P
村上春樹、安西水丸著  

(以下、読書メーターに書いたレビュー)

ほのぼの。単行本が出たのは1984年。春樹さんは水丸さんとはジャズ喫茶時代から親交があるので、さすがに阿吽の呼吸。両者とも誰かの作ったルールに対しては適当だけどマイルールはしっかり守る印象。個人とかフリーで生きる上での美学と矜持が垣間見えた。書店員を長く続けていて嫌いではないけど、私は未だに己をサラリーマンとは認めていない。それは世を忍ぶ仮の姿で、文章を書くことが本業だと思っている。この往生際の悪さを彼らなら「いいんじゃない?」「自分が楽しいのがいちばんだよ」と笑ってくれそう。好きなことをして生きていく。

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数日前に「村上朝日堂 夢のサーフシティ」のレビューを書きましたが、(詳しくはhttps://note.com/bookread_write/n/nd1e68をどうぞ)、その本の付録のCD-ROMにおふたりの対談が収録されていました。青山のジャズバーで10分程度の雑談をしているのですが、春樹さんの声はけっこうハードボイルドで水丸さんは穏やか。考え方や食べ物の好み、生活スタイルなどは意外なほど共通していないのに、根っこの部分の価値観を互いに好ましく思っていることが言葉の端々から伝わってきました。「村上朝日堂」も同じです。特に春樹さんの方にいい意味で遠慮がない(笑) ずっと個人主義的に身構えて生きてきた彼にとって、水丸さんはガードを下げて甘えられる数少ない年長者の知人だったのかもしれませんね。もちろん一定のラインを踏み越えない節度を互いに守っているという信頼があればこそ、でしょうけど。

春樹さんの雑文を読むと、やっぱり自分の人生は自分のもので楽しんだもの勝ちだよなぁって思います。だから今日もこうしてせっせと好きなことを書いて生きているのです。毎日書くことは全然苦じゃありません。どっぷりと書くことに没頭できる時間をなかなか取れないのは苦かもしれませんが、そこは時間の使い方をもっと考えればいいわけで。あと何を書こうかと常に頭を悩ませているよりも、仕事の時間は仕事に、読書の時間は読書に、人と会う時間は人と会うことに没頭した方が、却っていいアイデアが浮かぶと最近わかってきました。ホリエモンがよく言う「先のことなど考えず、サルのようにハマれ!」というやつですね。好きなことをして生きていきましょう! 



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