見出し画像

改めて「いま読むべき一冊」

「ウクライナに帰属するすべてのものが解放されるまで止まることはない」

ゼレンスキーのこの発言がポイントかと。

今回の戦争で奪われた領土の奪還のみならず、2014年からロシアが実効支配しているクリミア半島をも取り戻す。これが彼の掲げる至上命題と見て間違いないようです。

一方、ロシアの目的はNATOとの間に緩衝地帯を設けること。

安全保障を考えるうえで、プーチンはどうしても西側諸国と国境を接したくないみたいです(この考え方を適用すると、北方領土を含む千島・樺太地区は対日本の緩衝地帯という位置付けになります。もちろん「だから返還を求めなくていい」ではなく、その前提を踏まえたうえでって話です)。

ウクライナがNATO寄りの姿勢を示している。ならば同国東部及びクリミア半島を含む南部だけでも支配下に置き、ウクライナから独立した親ロシアの自治州とし、新たな緩衝地帯とする(現状のクリミアはロシア連邦に組み込まれていますが)。これがロシア側の譲れない一線と思われます。

ウクライナからしたら、奪われた国土を奪い返すという点において正当性がある。ロシアからしたら、ずっと要請していた「ウクライナの中立化」を西側諸国が受け入れず、挑発的な合同訓練さえおこなった。つまり開戦を引き起こした原因は相手側にあるという理屈でしょう。

いかなる事情であれ、他国へ軍事侵攻して領土を奪う行為は容認し難い。そもそもの大前提です。この点においてはウクライナを支持します。独立前の歴史を持ち出して「元々ロシア領だった」なんて言い始めたら、世界中で侵略戦争が正当化されます。何のための国境、何のための国際法なのか。

しかし見方を変えると、ウクライナはアメリカやイギリスの支援を受け、安全な場所に留まる彼らの代わりに、彼らの挑発を受けて立ったロシアと戦っている、いや戦わされていると映ります。この点にずっと違和感を抱いていました。なぜこんな事態に? 避けることはできなかったのか?

答えを探るうえで、改めて↓をオススメします。

書かれている内容のすべてに賛同はしません。独立「国家」としてのウクライナへの評価の仕方とか。でも彼の視点から得られるものが大きいのも事実です。たとえば「中国には、戦争が長期化するなかで、ロシアを利用してアメリカの武器備蓄を枯渇させることで、アメリカの弱体化を図るという選択肢が残されています」とか。頭に浮かんだことすらありませんでした。

この戦争が長引くことを望んでいるのはどの勢力なのか? そこに想像を働かせれば、自ずと打開策及び日本の採るべき道が浮かぶのではと感じました。

引き続き考察していきます。一日も早く平和が訪れますように。

この記事が参加している募集

推薦図書

最近の学び

作家として面白い本や文章を書くことでお返し致します。大切に使わせていただきます。感謝!!!