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「凡人の仕事」三大要件

かつて松本人志さんは著書に「俺はいい感じの手の抜き方を知らない」と書いていました。藤浪投手もこのタイプでしょう。120点のピッチングをした翌日に赤点を叩き出してしまうのがその証拠。

先発時代には器用ぶって小手先でかわそうとして炎上したこともありました。要領良くそれなりにこなす、ということができない。足こぎの人力飛行機みたいなもので、常に全力で行かないとたちまち下降する。いわゆる「嘘がつけないタイプ」です。

藤浪投手の制球難の原因は精神的なものではなく、専ら技術面にあると言われています。実際そうなのでしょう。と同時に、生まれ持った真面目さと素直さ、そして優しさも原因の一端なのかなと見ていて感じます。

いまの彼に求められているのは、どんな状況でも一定ラインを下回らない安定性。100点は獲れないけど60点以下もない。これは120点を狙える天才には逆に難しい、いわば「凡人の仕事」です。でも「天才の働き方」を許されるのは圧倒的な成果を挙げ続ける人だけ。難しくてもプロとして生き残るためにはやるしかないのです。

ではどうすればいいか?

凡人の代表としてお答えします。ここで重要なのがメンタルです。まず手を抜くのではなく「己を見切る」。自分にはこれしかできない、これ以上を求めるなと。その代わり「これ」だけは何があってもやり遂げる。

プライベートでは従来の向上心を忘れず、でも現場では一端それを頭から切り離すのがコツです。

次に「何とかなるでしょ」という楽観論。たとえば大学受験でも「やらなきゃやらなきゃ」と真面目に思い詰めるほど頭が麻痺して力を発揮できません。「あれだけ頑張ったんだ。できるに決まってるだろ」ぐらいでちょうどいい。

最後は「他人の話を聞かない」。自分のペースで自分の仕事をする。いちいち気を遣って相手をしない。有益な情報だと思えば耳を傾け、そうじゃなければ適当に流す。周りの状況を無視するのではなく、あくまでも不要な「雑音」をシャットアウトする、ということです。

先発として常にクオリティースタートする藤浪投手を見てみたい。次の登板が楽しみです。

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