「街の本屋さん」を守りたい

「自分で書いた本を自分の働く書店で売る」

これを目標に掲げていた時期があります。今も同じかもしれません。

でも考えていたのは「書店の従業員として本を出す」ことだけで「作家になって書店を経営する」アプローチは頭に浮かびませんでした。私の中で「本屋への感謝」「文化を残したい」などの使命感よりも「作家になりたい」「成功したい」という我欲が勝っていたせいでしょう。お恥ずかしい限り。

今村さんのツイートを見て素直に「応援したい」と思いました。大阪府箕面市に行く機会はなかなかないけど、いずれ足を運びたいです。ネット通販ができるようになったら活用したいし。

「地域で唯一の本屋」って責任重大ですよね。私の職場は近くに別の書店があり、おかげでお客さんからしばしばご意見を頂戴します。「○○さんではやってくれたのに」とか。(もちろん「○○さんではここまで教えてくれなかった。ありがとう」というケースもあります)。でも「本屋さん他にないんだから何とかしてよ」と迫られるプレッシャーに比べたら。。。

しかも「きのしたブックセンター」さんは現在1店舗。近隣に競争相手はいないかもしれないけど大型書店と比べたら売れ筋の確保はずっと困難なはず(その辺の業界の不条理は↓に詳しく書かれています)。小さな本屋で働いた経験があるので少しは大変さを理解できるつもりです。

でも今村さんの「作家」としての一面や見識が逆境を打ち砕くかもしれない。そうすれば業界を変える新たなビジネスモデルが生まれる可能性もある。いろいろな意味で期待しかありません。

応援の気持ちを込めて、彼の書いた「魂の名著」をご紹介します。

戦国時代の梟雄といえば松永久秀。昨年の大河ドラマ「麒麟がくる」では吉田鋼太郎さんの独特な演技が注目を集めました。

将軍・足利義輝を殺し、東大寺の大仏殿に火を放ち、主の三好家を我が物顔で牛耳る。しかし並外れた才能ゆえに裏切りを重ねた織田信長から何度も許された男。彼は本当にそういう人間だったのか? 虚実を交えた巧みな構成の中で答えが生々しく解き明かされていく重厚な一冊です。

明らかに創作と思しき展開も見られます。と同時に「実際これに近い感じだったのでは?」と首肯させる何かが宿っているのもたしかです。そもそもこれまでの他の作品で見られた「梟雄」というイメージこそが後世の虚構の産物。ならば本作を「現時点で最も実像に近い松永久秀を描いた小説」と断言してもいいはずです。

久秀に興味のある方には↓もオススメです。「きのしたブックセンター」さんには、ぜひこちらを「じんかん」の近くに置いていただきたい。歴史好きのお客さんなら「おっ」となるはず。

現役の人気作家が運営に携わる街の本屋さん。考えただけでワクワクしませんか? 私は大型書店で働く身ですが、本という文化を、そしてそれを売る街の本屋さんを守りたい気持ちは同じです。今村さん、ありがとうございます!!

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