「敗戦処理」のやりがい

9回裏開始時点で0-3。まさかまさか。改めて「野球は2アウトから」だなあと。

久保田利伸「虹のグランドスラム」の歌詞を思い出しました。
「1,2,3,4,5,6,7,8 勝負はこれから ONEダウン TWOダウン でもまだいける ドキドキするけど 向かい風なら もっと胸をはれ 最後にドッカーンと 虹のグランドスラム」

グランドスラムじゃないけど、3点差を引っくり返しての逆転勝ちだから、まあ似たようなものでしょう。正直ラッキーな部分もありましたが、運を引き寄せる勢いは地力があってこそ(「運も実力のうち」とはそういう意味だと解釈しています)。本当に見事でした。

人生にはこういうことも起こり得る。諦めなければ可能性はゼロじゃない。俄然奮い立ちますよね。まさにスポーツの醍醐味です。

そしてこの逆転劇を生み出したきっかけは8回表。DeNA打線を三者三振で封じた藤浪投手のピッチングでした。

以前にも書きましたが、引退した藤川球児さんはメジャーからの復帰後、しばらく敗戦処理の場面で投げていました。しかし彼は「敗戦処理には相手の勢いを止め、反撃の機運を高める役割がある」と考え、リードしている局面と変わらぬ素晴らしいピッチングをしたのです。

藤浪投手も今日の結果を見て「いま俺の果たすべき役割はこういうことかな」「チームをこういう展開へ導くことかな」と気づいたのではないでしょうか。

たしかに地味な仕事です。きっちり抑えたところでホールドもセーブも付かない。でも誰かがやらなきゃいけないし、必ず見ている人はいます。与えられた場所でいい働きを続ければ周りが放っておきません。藤川さんがのちにクローザーに復帰したように。

たぶん私自身が職場においてそういう役回りなんですよね(noteや読書メーターでも似たような立ち位置かもしれない)。だから藤浪投手が頑張ってくれたら「俺も負けてられないな」とシンプルに燃え上がるんです。

まだまだここから。野球もプロレスも人生も「逆転」がいちばんしんどくて、いちばん面白い!!!

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