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藤浪晋太郎が「絶対に大丈夫」な理由

最終回に味方が3点リードを引っくり返され、419日ぶりの白星を消された藤浪投手。今年の開幕戦もそうでした。いいピッチングをしても降板後にリリーフが逆転され、勝ち星に結びつかない。自分の力ではどうしようもない部分です。

しかし彼は「次につながる投球だったかなと思います」と前向きなコメントを残しました。

いまの藤浪投手ぐらいの歳のころ、私はリフォームの営業マンをしていました。ある月、社内でひとりだけ契約件数がゼロでした。クロージングまで進んだ数では上位。仮オーダーも決まった。なのに不運なキャンセルが続き、月末までボウズでした。

役割はアポインター。契約へ持ち込むのはリーダーであるクローザーの職務でした。正直「ふざけんな」しかなかったです。俺はちゃんと自分の仕事をしているのに、と。

ゼロの人は日曜も出勤です。朝から晩まで歩き通しの日々でこれはきつい。会社を恨み、クローザーを呪い、世の中に対して中指を立てました。言葉の端々や態度にも出ていたはず。

先輩に怒られました。「もっと周りを見ろ」と。「みんなが気を遣って励ましてるのがわからないか?」「リーダーに不満なのはわかる。でもあの人だっておまえに悪いと思って必死にやってるんだ」「オーダーになり易いようにアポを工夫しよう、とか少しでも考えたか?」

返す言葉もありませんでした。

いまなら断言できます。「こんなに頑張ってるのに」なんて軽々しく言えるのは、まだ努力が狭い範囲に限られている証だと。我が身の事情しか視野に入っていなかったから結果が出なかったのです。

そのことを何となく意識した月の最終日。リーダーのおかげでいいアポが取れてオーダーになりました。嘘みたいな本当の話です。だから藤浪投手、あなたは絶対に大丈夫。打たれたクローザーやエラーした野手を責めず、負担をかけたリリーフ陣を気遣えるあなたなら絶対に大丈夫!!

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