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私の尊敬する「先生」

ガンケル投手、安定していますね。見ていて心地良かったです。

ツーシームやカッターなどベース付近で動くボールを武器にゴロを打たせる技巧派スタイル。落ち着いた大人のピッチングという感じがします。コントロールがいいからテンポも速い。彼が投げるときは野手もプレーがし易いはず。

ところで彼はネット界隈で「ガンケル先生」と呼ばれています。何でだろうとずっと疑問だったのですが、どうも実際に教員として働いた経験があるようです。

7年間マイナーリーグでプレーし、渡り歩いた球団は15。これだけでも相当の苦労人です。しかもアメリカのマイナーリーグの待遇はNPBの二軍とは比べ物になりません。

調べたところによると、日本プロ野球における「主に二軍で出場している選手の最低年棒」は440万円とのこと(育成選手は240万円)。若い選手なら寮に住めて食事にも不自由しません。阪神タイガース在籍時の井川投手が1億円プレーヤーになってからも「家賃が安い」という理由で寮に住み続けたのは有名な話です。

一方アメリカのマイナーリーグ。メジャーに最も近い3Aでも最低年棒は約80万円。衝撃です(詳しくは↓の記事をどうぞ)。

当然これでは生活できません。ゆえにガンケル投手もオフシーズンに高校で臨時職員として働いていたのです。

何度も書いていますが、書店員は給料のいい仕事ではありません。たまに「レジにのんびり立っていてラクそう」と笑う人がいますが、いやいや。土日祝日の混み具合は何かを呪いたくなるレベルですし、お客さんには見えない業務の方がはるかに多い。あと腰を痛める可能性も高いです(それが原因で続けられなくなった人もいます)。

でも我々はマイナーリーガーみたいにバスで連日8時間~15時間も移動することはありません。フルタイムで働けば年収80万円なんてこともない。あとアメリカでは国民皆保険制度がないから、うっかり体調も崩せない。

「人間苦しいときは下を見ろ」と言います。でも下なんかじゃないですね。下は上です。こんな過酷な状況で7年間も耐えたガンケル先生、尊敬します。ぜひ日本で栄光を掴んでください。

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