見出し画像

今年こそ見たい「エレガントな花火」

面白いコメントや熱いメッセージを口にしたわけでもないのに、けっこう取り上げられています。期待感の表れでしょうか。

私の優勝予想もSANADA選手です。

新日本プロレスの真夏の祭典「G1クライマックス」が、いよいよ明日から始まります。約1か月に渡る長期戦です。

1991年の第1回から見続けています。当時は4選手ずつの2ブロック制でした。今年は7選手ずつの4ブロック制。出場選手が3倍以上に膨らんだわけです。

「昔のG1は少数精鋭。誰が優勝してもおかしくなかった」という声を聞きます。たしかに。でも蝶野正洋選手の制覇を予想した人はほとんどいなかったはず。「誰が勝ってもおかしくない」と言いつつ「蝶野とビガロはないかな」が本音だったのでは? 

少数精鋭の中でさえそんな風に見られていた選手が決勝へ上がり、激闘の末に逆転勝利。そりゃ興奮しますよね。だからこそ両国国技館に座布団が舞う伝説的光景が生まれたのです。

蝶野選手は翌年も優勝。このときも本命と目されていた武藤敬司選手を準決勝で破っています。そして94年の第4回大会もノーマークの状況からよもやの頂点へ。「まさか今回はないよな」を何度も引っくり返し、彼は「G1男」の称号を手に入れました。

いまのSANADA選手の「大人しさ」が、あの頃の蝶野選手と重なります。大きなことは言わず、目立ったこともしない。ただ虎視眈々と狙ってる、みたいな。

巷では「本命オカダ」「ピンチの時の棚橋弘至」と囁かれています。だからこそチャンス。ダークホースは周囲の視界から隠れれば隠れるほど真価を発揮する。

SANADA選手が勝ったらいつもみたいに会場が暗転し、観衆はスマホのライトで彼を照らすでしょう。夏の風物詩である花火のように。

プロレスファンだけが楽しめるエレガントな輝き。今年は最高の舞台で見られると信じています。

この記事が参加している募集

すごい選手がいるんです

夏の思い出

作家として面白い本や文章を書くことでお返し致します。大切に使わせていただきます。感謝!!!