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【読書会】宮本輝『流転の海』を読む④~第7章

こんにちは。
今度のclubhouseでのオンライン読書会は、宮本輝さんの『流転の海』を読む第4回として、7月18日(月)21時から開催いたします。範囲は第7章となります。松坂房江が熊吾と出会うまでの前半生が描かれている章です。

第7章の概要

①伸仁が1歳になる。房江の姪・直子が伸仁をあやしている。
②回想。三人兄姉の末っ子として神戸生まれる。母が若くして亡くなり、高島家に養子に出される。
③房江6歳。高島家に女児が生まれるが、養父が急逝。「売春宿」に奉公に出されてしまう。
④実母の兄が引き取りに来るが、20歳になるまで親戚の間をたらい回しにされる。
⑤山下則夫と結婚するが、酒が入ると淫欲のとりことなる夫に苦しめられる。
⑥実の姉・あや子と再会。則夫との離縁を決めるが、実子を山下家に取り上げられてしまう。
⑦新町の本茶屋「まち川」で働き始め、女将・町川ケイに代わり、キクとして店を切り盛りするようになる。
⑧松坂熊吾と出会い、一目惚れする。

ピックアップ

・実の母のことを思い、養父のことを思うたびに、房江は人生というものに身震いするほどの気味悪さを感じてしまう。それは自分の持って生まれた星廻りの、あまりの冷酷さに対してであったし、それ以後の実父宗助と養母玉島キヨの、自分にあびせてきた非情さに対してであった(234)。

・不幸がやがて幸福へと転じて行く長い道程を葉を食いしばって見すえる勇気(252)。

・のり子はいい妻になるかどうかはわからないが、いい母になることは間違いなさそうであった(257)。

・男はみんなそんなもんやで(262)。

・男とは何と汚い動物であろうと房江は思った(266)。

・房江は、女の美貌を創り出すものの火種に触れた思いがした(269)。

・松坂さん、日本は戦争をやるやろか?(276)

・戦争が始まるとわしは読んでる。負けたら、日本はどうなる。自動車業界はどうなる。そのとき、松坂熊吾みたいな友人がほしい/あんたは友人が欲しいんじゃのうて、いけにえが欲しいのよ(277)。

・軍事政権がつづくよりも、資本主義の国になってくれたほうが、長い目で見りゃあ、得なはずやけんのお(278)。

・わしは正直者過ぎる(略)大事なところで人を騙せん(略)いけにえには格好の男と睨んだわけよ(281)。

・きっと、哀しいことが、ぎょうさんあったんじゃろうのお(286)。

・松坂熊吾。あの人、ものすごう偉うなりはるか、ものすごう落ちぶれるかの、どっちかやで(288)。

・白い蓮の花みたいじゃ(略)やっぱり蓮じゃ。蓮の花は泥の中に咲くからのお(302)。

・戦争が起こるぞ。身のほども知らんと、日本はアメリカやイギリスと戦争をやるぞ。負けるに決まっとるのに(306)。

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今回は性的な描写が多く、抜書きにひと苦労でした。最後までお読みくださり、ありがとうございました。それではまた!



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