海外マンガ情報誌「モリマチ。」Web版 海外マンガTOPICS―2024年11月
書肆喫茶moriの店主が気になった海外マンガのニュースをご紹介する「海外マンガ情報誌「モリマチ。」Web版 海外マンガTOPICS」。
本記事では2024年11月のニュースをご紹介します。
バンド・デシネ翻訳者の原正人さんとやっているポッドキャスト「海外マンガRADIO」では、ここで紹介していない海外マンガに関するニュースについてもお話していますので、よかったらこちらもご覧ください。
韓国マンガ翻訳者の青木鋼浩さんがnote開設
11月3日、韓国のマンガ翻訳者の青木鋼浩さんのnoteが開設された。自己紹介記事と、TVドラマ化もされた『未生(ミセン)』第2部の記事が紹介されている。今後の記事も期待。
オンラインイベント「海外マンガ勉強会#6」開催
11月5日、バンド・デシネ翻訳者の原正人さんが企画するオンラインイベント「海外マンガ勉強会#6」が開催された。今回はわたくしが「海外マンガとわたし」をテーマに、海外マンガとの出会いからこれまでの海外マンガ遍歴、最近気になっている作家・作品をご紹介した。
フレデリック・アントワンさん「バンド・デシネの旅:ケベック、フランス、日本を巡って」イベント開催
11月8日、アンスティチュ・フランセ関西の読書の秋イベントとして、書肆喫茶moriにてケベック在住のバンド・デシネ原作者フレデリック・アントワンさんのイベント「バンド・デシネの旅:ケベック、フランス、日本を巡って」が開催された。ケベックのマンガの歴史や、欧州のバンド・デシネとの違いなど興味深いお話ばかりだった。以下の写真はフレデリック・アントワンさん(中央)と通訳をしてくださった四方弥生さん(右)。
ドイツの女性マンガ『今日が人生最後の日』のクラファン開始
11月8日、ドイツの女性マンガ、ウリ・ルスト作『今日が人生最後の日』のクラウドファンディングがスタートした。著者の実体験に基づいた、17歳で金もパスポートも持たずにヒッチハイクの旅に出た少女たちの物語。「FEEL YOUNG/祥伝社」や「on BLUE/祥伝社」や「from RED/シュークリーム(電子)」といった女性マンガ・BLマンガの編集・出版を長年にわたって手掛けてきたシュークリームが企画する新たなプロジェクト「ShuCreamGW」(=ShuCream Global Women’s comics)の第一弾。2025年2月10日まで。
「ACBD批評グランプリ2024」ノミネート作品発表
11月8日、フランスのACBD(バンド・デシネの批評家とジャーナリストの協会)が主催するマンガ賞「ACBD批評グランプリ2024」のノミネート作品が発表された。15作品が選ばれ、11月23日のブロワで開催される bdBOUMフェスティバルで最終ノミネート5作品に絞られ、12月3日にグランプリが発表される。
バンド・デシネ作家フレデリック・ペータースがキャラデザを手掛ける映画「動物界」が公開
11月8日、フランスのアカデミー賞と呼ばれるセザール賞で最多12部門のノミネートを達成し、同国で観客動員100万人越えの大ヒットを飛ばした映画「動物界」が全国公開された。人間の身体が動物化していくという奇病が発生した世界が舞台となるSF映画でキャラクターデザインを『青い薬』『KOMA―魂睡』のフレデリック・ペータースが手掛ける。
マンガ『ピーナッツ』の翻訳でも知られる詩人の谷川俊太郎さん死去
11月13日、詩人の谷川俊太郎さんが死去された。享年92歳。詩人として知られるが、海外マンガで言うとスヌーピーのキャラクターが人気のアメリカのコママンガ『ピーナッツ』の翻訳も手掛けられた。『完全版ピーナッツ全集』は河出書房新社から全26巻で刊行されている。
SFマンガ誌『Metal Hurlant』の英語版キックスターター開始
2021年に新創刊されたフランスの伝説的SF誌『Metal Hurlant』。これまでフランス語版しかなかった本誌の英語版がついに創刊される。11月15日に事前予約のキックスターターが開始された。12月13日まで。メタルユルラン50周年記念の一環で、創刊号は2025年春に刊行予定とのこと。
香港のマンガ家東東さんの新連載『ハイパーヨーヨーACCEL』開始
11月15日発売の「コロコロコミック12月号」、ウェブマンガサイトの「週刊コロコロコミックス」で香港のマンガ家、東東さんの新連載『ハイパーヨーヨーACCEL』が始まった。週刊コロコロコミックスでは第0話も読めます。
アングレーム国際漫画祭2025公式セレクション発表
11月21日、ヨーロッパ最大規模のマンガの祭典「アングレーム国際漫画祭2025」の公式セレクションが発表された。44作品が選ばれたほか、遺産賞8作品、子ども向け部門18作品、ミステリー部門7作品、エコ賞7作品の候補作も発表された。アングレーム国際漫画祭は2025年1月30日から2月2日まで開催され、その期間中に各マンガ賞が発表される予定。
ACBD批評グランプリ2025子ども向け部門の最優秀作品決定
11月24日、ACBD批評グランプリ2025子ども向け部門(Prix Jeunesse ACBD de la critique 2025)の最優秀賞が決定した。最優秀賞は日本人作家の帆『クマとカラス』(HO『Le voyage d’ours-lune』)が受賞した。
「スペイン&フランスこのマンガがすごい!」開催
11月30日、サウザンコミックス第9弾フランスの痛快ラブコメマンガ『男の皮』を現在クラファンしている書肆喫茶moriと、第10弾スペインのサイコスリラーマンガ『ガウディの幽霊』の発起人のマリアさんが、それぞれフランスとスペインの翻訳されてほしいマンガ作品を紹介するイベントを開催した。とても楽しいひとときだった。
韓国のコミックアンソロジー『地域の私生活99』事前登録受付開始
サウザンブックスさんの新プロジェクト、韓国の地方都市を複数の漫画家が描くコミックアンソロジー『地域の私生活99』の予告ページが公開された。『地域の私生活99』は2021年の「今日の私たちの漫画賞」(오늘의 우리만화상)2021年の受賞作でもあり(note記事「韓国で評価されているマンガは?韓国のマンガ賞2023」参照)、30か所ほどの地方都市のマンガが刊行されているなか、「抱川(ポチョン)編」「宝城(ポソン)編」「丹陽(タニャン)編」「公州(クァンジュ)編」「釜山(プサン)編」の日本語翻訳出版をめざすとのこと。現在、事前メール登録受付中。
イベント予定
9月7日〜12月8日:マンガ表現と〈自由〉-アジアの女性作家を中心に-香港・シンガポール・マレーシア@北九州市漫画ミュージアム
12月1日~2025年1月5日:音楽Project-PETER MANN作品展@大浪漫商店(東京)
12月3日:オンラインイベント「海外マンガ勉強会#7」
12月14日:第19回アメコミ・ビブリオバトル@オンライン
12月17日:「世界のマンガについてゆるーく考える会#21」@としま区民センター(東京)
書評・レビューなど
『守娘』『葬送のコンチェルト』(ちゃんめいさん、ダ・ヴィンチ)
『世界お金の大図鑑』(公明新聞)
『世界お金の大図鑑』(ダ・ヴィンチ12月号)
『アステリオス・ポリプ』(朝日新聞)
『ブラを燃やす、恋をする』(ダ・ヴィンチweb)
『女だけの世界へようこそ』(大阪ウィンタージャスミン(WJ)翻訳者の会)
海外マンガの本棚(2024年11月公開)
書肆喫茶mori個人的ニュース
11月もクラファン中の『男の皮』を皆さまに知っていただくための活動をしていました!
5日の「海外マンガ勉強会」で発表させてもらったり、8日に開催されたフレデリック・アントワンさんのイベントに場所をご提供させてもらったり、15日から17日まで当店周辺のお店さんと共同で開催された「タニマチアソビ」でワークショップをやったり、23日24日には梅田のハービスENTプラザで開催された「本のマルシェ in HERBIS」に出店したり、30日にはサウザンコミックス第10弾の発起人マリアさんとイベントをしたり……。
少しでも多くの方に『男の皮』を知っていただけることになればいいなぁと思います!
ワダシノブさんのポッドキャストに出演
イタリア在住のイラストレーター・マンガ家のワダシノブさんがいろんなことを5分くらいでオススメするポッドキャスト「ラジオワダ」に出演させていただき『男の皮』をオススメさせていただきました!
ワダさん、ありがとうございます!
『男の皮』クラファンへのご支援・情報拡散をお願いいたします!!
書肆喫茶moriの店主が発起人となるサウザンコミックス第9弾ユベール&ザンジム『男の皮』のクラウドファンディング。
90日の期間は長いなぁと思っていましたが、いよいよ残すところあと半月になってしまいました!12月16日までです!
ぜひご支援・情報拡散へのご協力をお願いします!