最新が最高。

音が聴こえた瞬間 息を呑んだ 衝撃が走った。

OKAMOTO'Sの新作”BOY"を初めて聴いたときの第一印象である。
彼らのデビュー10周年を彩る作品はこれまでの彼らのすべてを詰め込んだ最高の作品だった。

私がOKAMOTO'Sに出会ったのはつい最近のことでデビュー当時のことはリアルタイムでは知らない。そして音楽全般について深い知識もない。
しかし彼らの生み出す音楽が大好きである。
BOYを聴いた衝撃を一人のファンとしてて残したい。残さなければという使命感に駆られた。

リリースが発表され、少しずつ情報が解禁される中、できるだけそれをシャットアウトした。事前情報を何も持たぬままアルバムをOKAMOTO’Sの一つの物語として聴こうと思ったからだ。

やっとCDを手に入れ音源を聴く前に歌詞を読んだとき、その生々しさとその中に含まれる鮮やかさを感じ涙が溢れた。
この歌詞にどんな音を付けてどんな作品に仕上げているのだろうか、とんでもない作品に出会ってしまった。と謎の恐怖感に襲われ、フラゲしたにも関わらず5日間聞くことができなかった。
そしてやっと覚悟を決め、十分な時間を確保し、プレーヤーの前に座りCDをかけた。

中学の同級生で結成されたこのバンドは20代にしてデビュー10年というキャリアを持つ。
彼らの10年間は決して楽な道ではなかっただろう。むしろ苦難のほうが大きかったかもしれない。
どんな状況であってもバンドという形態で4人で音楽を生み出し続けてきたのは4人全員が互いを信頼し、自分たちがかっこいい、楽しい、面白いと思う音楽を追求し続けてきたからだと思う。
10年という年月の中で積み重ねた様々な感情と経験、幼いころから音楽を愛し、身に着けてきた膨大な音楽の知識がこのBOYには存分に詰め込まれている。

これまでもOKAMOTO'Sはレベルの高さが注目されてきた。しかし今回は今まで以上のものを生み出してきた。彼らがいう「最新が最高」である。
各メンバーがバンドだけではなく様々なアーティストと様々な形で関わってきた。音楽だけにとどまらず幅広いジャンルで活躍している。そんな4人が集まり音楽を奏でたとき、それぞれの経験がすべてOKAMOTO'Sのものとして共有され表現されるのであろう。4人の根底には常にバンドがあるのだ。

生々しさが増した歌詞を計算しつくされ、深いこだわりが散りばめられた音が彩る。
OKAMOTO'Sというバンドが長い時間をかけて築いた”らしさ”を長い時間をかけて音楽で表現した10周年にふさわしい、彼らの過去と未来を物語るアルバムだと思った。そしてまた涙が溢れた。

正直、私は前作”NO MORE MUSIC”を超える作品はないと思っていた。それくらい前作も最高で私の音楽観を変えた作品だった。でもBOYはそれを何倍も上回っている。OKAMOTO'Sはやはり「最新が最高」なのだ。

6月に行われる武道館公演は”LAST BOY"と名付けられている。意味深なタイトルだけに様々な憶測が広がっているが、わたしはどんな形であれOKAMOTO'Sはこのアルバム”BOY"をもってBOYからMANへステップアップし、これから生まれるであろう最新作でさらなる衝撃と感動を与える最高傑作を届けてくれると信じている。

アルバムの最後を飾る“Dancing Boy”は彼らの10年を振り返り、次への希望が歌われている。

Remember we were Dancing Boys
踊るしかできないでSwing
ウブな翼よForever Young
Do you remember?
We were teenage dancing Boys
何もかも移ろってAlive
今も消えない想いは...

Dancing Boys
踊るしか知らないでSwing
ウブな翼よForever Young
You know?
Yes we’re still dancing now
何もかも詰め込んでAlive
君に伝えたい想いは...

今行けるさ、果てなどないさ


1番のサビとラストのサビの一部である。
彼らは今も昔も、いつまでもBOYなのだ。10年目を迎えた今、彼らはBOYの心を抱いたままMANとなり、奏で、踊り続けるのであろう。
彼らの止まらない進化を私はこれからも追い続ける。

最後にOKAMOTO'Sの皆さんデビュー10周年おめでとうございます。
私はOKAMOTO'Sの音楽に救われて、今も音楽を聴くことができています。

ツアーや武道館でBOYに収録されている音楽たちがどのようなアレンジを加えられて演奏されるのか、今からとても楽しみです。

とても素敵で最高な作品を届けてくれてありがとうございます。
これからも応援しています。


#音楽 #オカモトズ #ディスクレビュー #東京 #好きなもの

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