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読書習慣#53 数字という武器の力/「マネーボール」

数字で見れる強さ。

マネーボール。映画でも有名になった話。
話は古くて、2001年−02年、米国メジャーリーグで弱かったアスレチックス。
そこに赴任してきたGMがそれまで「経験と勘」で取っていた選手の評価を「数値」をベースに切り替えることで、優秀な(しかも安い)選手を揃えて優勝したという話。

映画は2011年。
今でこそデータドリブンは当然にように思われているが、少し前まで経験と勘は数字に置き換えるというのが不可能と思われていた。
野球選手の評価もそれと同じで例えば背の高さといった、実は成績とあまり関係のない値が評価に使われていたりもした。

ところが当時赴任してきたビリー・ビーンというGMが選手を数値で分析してみるともっと違うところを評価すればよいということがわかり、それをチーム内のスカウトたちと喧嘩しながらも進めていった。。

今だとデータ分析は当然のようにも思えますが、実は数年前までそんなことは人間を超越しないというのが多くの人達の考え。例えばお酒の吟醸酒も人間の経験と勘の塊である杜氏が最高であり機械では匹敵しないと言われてた。しかし。それを機械でつくって大成功した獺祭というお酒もあったり。。

Netflixは入手できる数字を入手することで大ヒットドラマを連発させたり。


今の時代、数字をうまく使いこなせる企業が強いよなと思った次第です。

初版2006年にランダムハウスから出された本を手に取り、こんなデータドリブンで世界と戦えるんだと驚いたことを久しぶりに思い出しました。

ちなみにマイケル・ルイスさんはこのような知られていない社会現象をいちはやくピックアップして教えてくださる作家さんでおもしろい本が多いです。

マイケル・ルイスさんの本

マネーボールの著者マイケル・ルイスさん。社会の特異で影響力のある現象をいち早くキャッチして取材、様々な本にして私達に教えて下さいました。

日本で入手できる本をご紹介。

■最悪の予感

新型コロナウイルスの感染者が出始めた頃、パンデミックを予想した検査官の理解されない様子とその戦いを描く。

■後悔の経済学

行動経済学が生まれたときの様子をヒューマン・ドラマふくめて描く。

■世紀の空売り 世界経済の破綻に賭けた男たち

リーマンショックとそのショック(経済破綻)を読み取り破綻に賭けた人たちの様子を描く。

■フラッシュ・ボーイズ
株の取引所と証券会社が一緒になって、株の取引で注文が入るとそのわずかコンマ数秒前に買いや売りをいれて、それから注文を裁くという鞘取超高速取引をつくってリスクなく証券会社が儲かる仕組みが出来上がった。その様子を暴く。

■ブーメラン
EUに加盟している国の中には負債の大きい国がある。その国の破綻ににかけて仕掛けた人たちの様子を描く。

■ライアーズ・ポーカー
数学者とその仲間たちが確率の僅かなズレを元にラスベガスで大儲けしていく様子を描く。


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