知識・技術より大切な〇〇
「介護のシゴトは、知識や技術がないとできない。」
と思っておられる方、いらっしゃるとおもいます。
たしかに、知識や技術は必要ですが、それよりももっと大切なことがあるとおもっています。
介護する側の『感性』です。
『感性』というコトバは、人それぞれニュアンスが違ったりするので、ぼくがここで使う意味合いは、
「相手の見えない気持ちを汲み取ることができる感性」
これって、どんなシゴトにも通じるところはあるんじゃないかなと思っています。
昨年、介護研修で講師をしたときのことです。
生徒のみなさんに、事例を出して、ワークをしてもらいました。
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スズキさん(82歳女性)は糖尿病で、食事にはカロリー制限があります。本人も食事には気を付けている。最近、利き手に力が入りづらくなっている。
スズキさんが、安心安全に食事をするために、他に必要な情報として知りたいことはなんですか?
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介護の知識や技術を勉強して、ある程度経験をしている人は、こんなことを知りたいと言います。
■「やわらかい物がいいのか、固い物がいいのか?」
■「カロリー制限は、何カロリーまで?」
■「自歯の本数や、義歯の状態は?」
介護の知識や技術を知らない、経験がない生徒さんたちは、こんなことを知りたいと言いました。
■「魚が好きか、肉料理が好きか?」
■「好きなお皿など、お気に入りの食器はあるのか?」
■「どこで食べるのが落ち着く?」
どちらが正解とか不正解とかではなく、どれもスズキさんが安心安全に食事をするために必要な情報です。
ただ、先ほどの「相手の見えない気持ちを汲み取ることができる感性」という点では、経験のない人の方が優れているなと感じました。
介護は正解がない。とよく言われます。
正解があるとすれば、その人にとって最善な方法が正解だと思っています。それは、100人いれば100通りの正解があるということ。
その人の最善を導き出すためには、介護する側の『感性』が大切。
それは、一人だけの感性では最善な方法が導き出せないことが多い。経験のある人、経験のない人、いろんな人の感性を掻き合わせ、視野が広がることで、最善な方法を導き出せます。
「感性を磨いていきます♪ 磨き方おしえてください♪」
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