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サーミ族の工芸を求め、深雪の地へ!スウェーデン北部キルナ 

2023年1月。

今回向かったのは、スウェーデン北部はキルナ。

1.ストックホルム→キルナ🚃

キルナへに行く寝台列車に乗るため、まずはストックホルム中央駅へと向かいました。

いざ、列車へ!

初めての寝台列車にワクワク。
座席をトランスフォームさせて作るタイプのベッド。こんなの初めてでさらにワクワク!

ドミトリーみたいな寝台列車。

同室だったオランダ人、ドイツ人の学生さんとおしゃべりした。

特に、オランダ人の子とは、「いろんな国を周りたいよね〜」「行きたい国を一つだけ選ぶとしたら、どこにする?」とかお互いの未来の旅の話に花を咲かせた。

お話に夢中でサラダを食べる手が止まってしまうぐらい、それはそれは楽しい時間だった。

途中で歯磨きに出かけたドイツ人の子が帰ってきた時も食べ終わってなかった私に、「まだ食べてるの!?」とかなり驚いていた笑

スウェーデンは物価高い。けど、食欲には逆らえずしっかりご飯買った笑
もちろん大好物のチョコも忘れず!

あとは、同室のスウェーデン人の方が、私にベッドを代わって欲しいと伝えるために英語の話せる旦那さんに電話をかけたり。

その旦那さんの話すのを、私、他の学生さん二人とスマホに耳を
近づけて一生懸命聞いたり。

そんなことをして、少し寝たら、10時間以上の列車の旅はあっという間だった。

充実した旅路で、幸先の良いスタートだった。



早朝。キルナへ到着。

北欧の寝台列車に乗って、こんもり積もった雪の上を旅行者が歩いていく。

なんだか映画の世界みたいな情景だった。

わけあってカフェを探していた私。

見つけたバスに乗り込んで。

運転手さんに、カフェのありそうな場所を相談してみることに。

それで、”new city center(新しい街の中心)"と呼ばれるエリアに行くことをおすすめしていただいた。

実はキルナには街の中心が二つある。

旧市街(city center)と新市街(new city center)の二つだ。

キルナでは、100年以上にわたって街の中心部に鉄鉱石の採掘が行われてきたそう。

ところが、2004年。

旧市街まで亀裂が入るだろうという予測が鉱山会社によってなされた。

キルナのビジネスの基盤を成している鉄鉱石の採掘を続けるためには、街の一部を移す必要があった。

そこから、新市街の都市計画が始まったとのこと

現在は、新市街へとどんどん人が移動しているそう。



新市街へ到着!

良い感じのカフェは見つからなかったけど、素敵な図書館を発見!

ラッキー!

雪景色をチラ見しながらテストを受ける笑

実は、次の学期に始まるイタリア語の授業のため、

オンラインでテストを受ける必要があった。

そのテストの開始日がまさかの北欧旅とかぶってしまうという..笑

キルナの地でイタリア語のテストを受けたのも、今では良い思い出!!!



テストを終え、またもこんもり積もった雪の上を歩いていく。

子どものように、雪にテンションが上がる私。

すると、トラックの2倍ほどの高さの雪山を発見!!

日本でも雪が降る土地に住んでいたけど、こんな光景は見たことなかった笑


新市街の地図。

とてもコンパクトな街。


工芸品のお店を発見!

迷わず入った!


キルナ地方の工芸品を扱っているお店だった。

職人さんたちが集まって開いたお店だそうで、旧市街から新市街に店舗を移転してきたばかりとのこと。

職人さんが交代でお店に立っているそうで、私もその日いた職人さんと少しお話しした。



歩いていると、ふとガラスに移る自分の姿が。

あまりの厚着っぷりに笑けて、思わずパシャリ📷。

-20℃に耐えられるジャケット、ヒートテックパーカ、ウルトラライトダウン、ニット、あとはイナー2枚。人生で一番厚着した日!笑


14:49でこの暗さ!日が落ちるのはかなり早いのね。

なんだかもう暗くなってきた。

そろそろ今回の旅の目的を果たすため、バスに乗って旧市街へと向かう。

目的地から一番近そうなわかりやすいシンボルは、教会だった。

運転手さんに教会に行きたいと伝え、言われるがまま違うバスに乗り換え、なんとか教会前に辿り着いた。

イタリアや、他の西ヨーロッパ諸国の教会とは全く違うデザインの建築。

雪と、真冬で葉の無い木と、わずかな灯りたち。

これがなんとも神秘的な雰囲気を教会に与えていた。

キルナの教会。


目的地に近づくにつれ、積雪量がどんどん多くなっていった。

こんもり


2.サーミ族の工芸

そんなこんなで進むと、遂に目的地を発見!

CARL WENNBERGさん!

サーミ族の工芸品を扱っているお店だ。


中に入ってすぐ、ずらりと並んだ工芸品たちに圧倒された。

木を用いて作られたものがほとんど。

実際にサーミ族を見たことはない。

ただ、この工芸品たちから、自然とともに生きるサーミ族の姿が見えるような気がした。

彼らの身の回りにある材料を使って、生活に必要な道具を作っていったのだろうか。

生活の中から生まれる工芸品は、やはり美しい

そう、改めて思った。


店員さんに、サーミ族の工芸の現状や問題点について少しお話し聞けないかな〜と思っていた。

でもシャイが発動してしまって、しばらく話かけられず…

英語圏の国から来たカップルのお客さんと店員さんがお話されるのを横に、

モジモジしていた笑

勇気を振り絞って、店員さんに質問!

すると親切にたくさんお話しをしていただきました…泣


まず、サーミ族の工芸品は元々はシンプルだったそう。

雪とともに生きる上での必需品
食糧を入れるためのもの
宝物や、貴重品のようなもの用
動物の皮でできた靴
食器



次に、元々シンプルだったものから、装飾を施されるようになっていった。

刀の装飾が、なんとも美しい..!

そして課題は、サーミ族の工芸品と名乗る偽物が出回っていること

この事態は、それだけこの工芸品たちは魅力的であり、価値あるものとされているという証でもある。

しかし、模倣品というのは往々にして廉価で作られ、本物が売れる機会を奪ってしまうこともある。

そして何より、本物を作っている職人、ひいてはサーミ族へのdisrespect(不敬)になるのではないか。

そう考えながら心を痛めていた。

お店を後にし、絶対に逃せない電車に乗るため駅に向かう。


途中で名物の鹿肉を食べられないかな〜と思いつつ、時間と体力的な都合で今回は諦めた…


分厚く着込んだ服たちと荷物の重さ、そして-17°の寒さでかなり疲労していた。

駅に向かう途中、手が凍え、少しづつ前に進むのがやっとになってしまった。

このまま雪の中で死んだらどうしよう…とかなり弱気になった。

一人旅で、周りに人もおらず、暗くて寒くてめっちゃつらかった。

でも、今ここで止まったらイタリア帰れんくなる!と思って、
なんとか進んだ。


なんとかキルナ駅に到着!

寒さで携帯の電源が落ちてしまったから写真取れなかったけど、

カッチカチのチョコレートを食べながらベンチで電車を待った。

スウェーデンのMarabou というブランドの、甘ーいミルクチョコレート。

パッケージに楽しげなミラーボールの写真がついてて、なんとかそれ見てテンション上げよーと思った笑



こうして無事に電車に乗り、ストックホルムへと帰った。


3. 最後に

今振り返ると、お店の店員さんにサーミ族の工芸のことが聞けるとは限らなかった。

それなのに、ただひたすら溢れ出る好奇心と興味から、この極寒の地に向かった。

自分の工芸に対する興味の強さに、自分自身で驚いた旅だった。

何より生きて帰れてよかった…泣

16012023  Kiruna, Sweden

Carl Wennberg AB
住所: Bergmästaregatan 2, 981 33 Kiruna, Sweden
Instagramcarlwennbergab
HPhttps://www.wennberg.com/gb/content/13-about-us


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