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普段だったら手に入らないもの。

久しぶりの、一週間ぶりの仕事だった。

休憩中によく行く、徒歩1分以内にある洋服屋さん。

大学卒業して、この街に住んで。

上の階の美容室に通ったりしたこともあり。

いつの間にか知っていた。

きちんとした日常着が置いてあり、

値段もするので、そんなに頻繁には買えないけれど。

年に1 2回は買い物をしていたと思う。

子どもが生まれて忙しくなって、気づいたらあんまり行かなくなったけれど。

ここに勤めてからは、ごはんを早めに食べ終え、30分の休憩の半分くらいを。

月に何回かは。

ここで過ごすのが楽しみだった。

新しい服。

私が永遠に袖を通すことの無いたくさんの服。

でも、その中の1着2着は私のものになる服。

生地の耳が大好きで、それを使ったデニムのワンピースを見たときは感動した。

ニットで有名なブランドが立ち上げた手編みの小物には目を見張った。結局、どうやって編めばいいのか、未だにわからない…。

毎日着てもへたらないような頑丈なインディゴのスエット、柔らかすぎてとろけそうなコットンの筒編みのTシャツは、

ここで購入した。

繊細で夢のように柔らかく、羽根みたいに軽い。見たこともないくらい淡くて優しい色のカシミヤのセーター。

手に取ることも憚れるような値段で、ただ眺めていた。

そんなお店。

いつも行くんだから、SNSのチェックは不用だと思っていた。

でも、久しぶりに。

どうかな。

行ってもいいかな。

延期になった展示はどうなったかな。

というか、行っても開いているのかな。

見てみたら、なんと。

閉店のお知らせだった…。

ので、閉店セールに行ったのだ。

驚いたことに。

あの夢のようなカシミヤセーターが半額だった。

子どもの都合で、平日を短縮出勤にしてもらい、代わりに土日に出勤するようになり。

労働時間と休憩の時間も増え、昨日は試着ができた。

カシミヤのセーターは、思っていた通り、ものすごくきれいで着心地がよくて。

でも、思った以上に、毎日着ても大丈夫だよ。と言ってくれているような。

親しみと、おおらかな雰囲気があった。

たぶん。

このお店で、最後の買い物をした。

ずっとお店には来ていたけれど、お店の人と話をするようになったのはすごく最近。

なんとなく、前から来ていたことや、共通の知り合いなど。話ができてよかった。

終わりが来る。って、こういうことなのかもしれない。

お店の中の、白い窓枠の爽やかな窓から。

街の景色が見える。

近くにあるファッションビルに行き交うたくさんの人々。

こうして眺めるのもあと少しなんだ。

って思うと、すごく感慨深い気持ちになった。

とてもさみしい。




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ぜんぜん、ほのぼのと生活していないことに気づきました。 no craft no life. 作ろう。
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