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萩原聖人、ラスの輪舞曲

今季の萩原はとにかくラスを引いている。

7戦4ラス

上から0-1-2-4といった具合だ

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29位の石橋と比較してもマイナスのダブルスコアだ。

改めて見ると凄いなこれ。


正直昨日も萩原は苦しかった。

自身の手が戦える形になる前に決着してしまう局ばかりだった。

それでも何もできなかったのか?と言われればそうでもない。

大きく勝敗を分けたポイントは2点

東1局

なんと言ってもまずは東1局

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結果としては岡田が跳満をツモ上がり、萩原としては厳しい親被りとなった局だ。

だが、萩原の対応によっては、この上がりは無かったかもしれないのだ。

いや、どちらかと言えば無かった可能性の方が高いだろう。

ポイントはここ。

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萩原は先制の役無しドラ無し愚形聴牌をダマに構えた。

そしてそれを

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1巡待ってのツモ切りリーチとした。

リーチをすべき局面であるし、リーチするのであれば即リーチを打つべき局面だ。

親リーチは魔法の言葉

解説席からもちょこちょこ聞こえるこの言葉。

リーチと言われた瞬間、ノーテンリーチでない限り、リーチ宣言者は確実に聴牌しているのだ。

この事実がリーチを受けた3者の打牌選択をどれだけ制限するだろうか。

無筋の牌はもちろんのこと、筋牌や字牌であっても、自身の手が押すに見合っていないことには切れなくなる。

特に宣言者が親であった場合はなおさらだ。ただでさえ親の上がりは子の1.5倍となるのだから。

もし萩原がこれを即リーチしていたとしたらどうだろう。岡田の視点で見てみるとしよう。

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実戦では7sは縦に置かれたが、ここで曲げられていたとしたらどうか。

自身の手は両面カンチャン残りの一向聴。

そして、その形から上がるためには無筋の8mと両無筋ドラ跨ぎの6pを押す必要がある。

いくら親のリーチに通ってない筋が多く、自身の手も現物が7sの1枚しか無いとはいえ、押せるだろうか?

現物7sを切ってからの端牌連打の無理オリも十分視野に入るくらいだ。

次の巡目

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試合ではここで岡田が赤5sを引き、平均打点も上がり両面カンチャン一向聴から両面リャンカン一向聴へと手牌が昇格したため、両無筋の6pをプッシュした。

いやしかし、よく押したなこれ。怖いだろうに。

正直これですらボーダーを超えるかどうか怪しいくらいではないか。

一巡前の時点で曲げられて7sを抜いていたとしたら、岡田も押すに押せなかったろう。

この親リープレスが遅れたために、6s引きで最高の聴牌を果たした岡田がドラをツモっての跳満だった。

オーラス

そしてオーラスでも分岐点は確かにあった。

決定機はここだ。

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園田のリーチを受けつつも、満貫聴牌を入れていた萩原だったが、無情にもツモってきたのは役無しとなる1s。

これにより萩原は振り聴となってしまった。

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同順に園田から放たれる8p。

これを

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スルーして47sツモ狙いとした!

ここはもう捲りあう局面なのだ。

園田も上がり牌以外は全てツモ切るしかないのだ。

1sを引くまでは47sも悪く無かったが、振り聴となってしまっては自分のツモでしか上がれない。

一方、これをポンして25sか36sに受ければ自分のツモと園田の河の2回上がりのチャンスが出てくるわけだ。(理論上は両脇からも上がれるが、さすがに出てこないだろう)

園田のリーチの現物であるにもかかわらず、まだ残り4枚の47sが見えてないともいえるが、魚谷からしたら萩原にも当然打てないので、おいそれと打つはずがない。

萩原に満貫打っても大丈夫な和久津が切ってないことから、和久津は持ってない可能性が高いだろうが、魚谷が止めている可能性は十分あるのだ。

もちろん、それは25sや36sにも言えることだが、それならば出あがりのできる形に受けておいた方が上がりやすいだろう。

そしてこの局面は上がり率を最大に受けるべき局面だ。

この8pさえポンしていれば

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3sを園田から直撃しているか

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2sをツモっていただろう。

ポンした場合の打牌候補2sと6sの比較だが、園田の切り出しで6sは愚形に当たらない※ため、6s切りとなるだろう。

とすれば2sツモ上がりのパターンとなっていたはずだ。

※6sが園田カンチャンに当たるとしたら園田は4sのところで7sを切って両面に受けるはずであり

6sがシャンポンで当たるとしたら、7sのところで6sを切って両面に受けているはずである。

6sが単騎で当たるとしたら、もう少し良い単騎を探すだろう。

萩原にファインプレーは要らない

こんなこと書くと萩原ファンに怒られるかもしれないが。

一般知名度のために萩原を出す方針は仕方ない。エンタメとして成り立たせるためには。

最高峰リーグなのに?と言われると苦しいが、一般向けには必要なキャラではあるのだろう。

しかし、それも最低限度の打牌ができることを前提としての話なのだ。

緻密な牌理による読みや積み重ねてきた経験からの感性によるミラクルプレーを萩原に期待してもそれは無理な話だ。

そんなことは皆わかっている。

せめてプロとしてクリアしているべき最低限の打牌をしてほしいものだ。

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