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奇跡の弟子と呼ばれて・・・。

私は、巷で「奇跡の弟子」と呼ばれているそうです。師匠がお取引先から戻ってきますと「今日も『あんな出来たお弟子さんはいない。奇跡だ。』と言われていたよ〜」と何度か報告を受けたことがあります。

「不思議なことを言う方がいるものだなぁ」と思うくらいなのですが、そのくらい、この業界は、きちんと修行して技術的なことも出来(工芸の最低ラインだと思うのですが...)、自分が行っている制作についてを語れる...そして接客が出来る人材がいないようです。私程度の人間が少ない...または、いないというのは、なんとも嘆かわしいことです。。。

実際に目の前で、「仁平さんは恵まれている、甲斐さんのような弟子がいる事は奇跡だ。後にも先にも、仁平さんの工房で甲斐さんのような存在は現れないだろう。甲斐さんが凄い。仁平さんは運が良い」というような事を言う方がいらっしゃいました。

「(褒め過ぎでは?????)」

何が狙いかと不審に思ってしまいます。そして、「この方は私の事を何も知らないのに、こうも言い切れるとは...さては超能力者だな?」と思うのでした。

師弟関係というのは、独特な関係性だと思います。会社の上司と部下でもないですし、学校やセミナーの先生と生徒でもありません、先輩後輩でもないですし、家族という訳でもない...なんとも不思議な関係です。

ですので、弟子を取ったことのない方に”師弟関係や修行する事”について説明しても仕方がないよなぁ...と思い、いつも「ありがとうございます。恐縮です。」という言葉で話を終らせる事が多いです。

実際には、多少向き不向きの判断が必要な分野で、向いている部分があった人間を、師匠が色々な我慢と工夫をしながら指導して下さった結果が先輩であり、今の私であります。(先輩は修行を終えた後、作家活動は今の所しておりません。)

師匠の言う事に本人なりに精一杯従ってみたところ、弟子が育った...というのが事実です。ですので、向いている方がこの分野に興味を持ち、フォリアと相性も良く、師匠の指導にしっかり従って修行をしたら...私以外にもシッカリ奇跡の弟子は育ちます。


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