『わたしがこの会社を必要としてるから、会社がわたしを必要としてるかどうかは考えない』
ドラマ「無能の鷹」第1話で、菜々緒さん演じる鷹野が放ったセリフ。
このシーン、原作でも読んだことあったんだけど、菜々緒さんが実際に声に発して言うと、読むより俄然説得力があるなぁと思った。
わたしは今、建築の仕事に携わっている。
設計もするけど、それより図面をチクチク描いていく作業や、細かい法規や条例を調べたり、どちらかと言うと「設計職の人があまりやりたがらない方」の仕事が好きだったりする。自分でもその方が合ってると思う。
そんな(同業者にとっては)地味と言われる業務ばかりしていると、自分でも時々、自分はこの会社に必要とされているのだろうか?と思ってしまうことがある。(もちろん、好きで地味仕事をやっているんだけど)
建築の花形といえばやっぱり設計だし、現場に行って図面を見ながら打合せをする姿を想像する人も多いだろう。
でもわたしは、現場にも行かないし、打合せにもほとんど出ないし、ひたすらPCの前で図面や法律と睨めっこしている。花形なんて程遠い、黒子の中の黒子、裏方の中のド裏方。
「それがいい」と思う自分と、「それでいいのか?」と思う自分が、いつもせめぎ合っている。
会社だって、フットワークが軽くて、どこに出しても完璧に対応してくれる人を評価するし、そういう人をどんどん採用したいにきまってる。
わたしみたいな、中途半端な裏方なんて必要ないんじゃないだろうか。
この鷹野のセリフは、そんなわたしに少しだけ自信をくれた。
誰かに必要とされているか、なんて考える必要ない。
「わたし」がこの会社を必要としている。
主語は「わたし」、この人生は「わたし」のもの。
「わたし」が必要としてるんだから、それでいいじゃない。
そんなふうに背中を押してもらった気がする。
ゴリゴリに張っていた肩肘が、少しだけ緩んだ気がした。
さて、午後からも仕事だ。