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人は物事を自分の見たいように見る生き物〜アンコンシャス・バイアスと声〜

こんにちは。和賀です。
映画『THE GUILTY ギルティ』を観ていて、アンコンシャス・バイアスについて考えました。

アンコンシャス・バイアスは、「無意識の思い込み、偏見」と訳され、誰かと話すときや接するときに、これまでに経験したことや、見聞きしたことに照らし合わせて、「この人は○○だからこうだろう」「ふつう○○だからこうだろう」というように、あらゆるものを「自分なりに解釈する」という脳の機能によって引き起こされるものです。(https://www.jtuc-rengo.or.jp/action/diversity/)

集中して聴く

相談を”声”で受けること、電話相談としての業務を長くやってきて思うのは、”声”からの情報はすごく多い分、その情報を処理することは非常に丁寧に取り扱う必要があると思っていまして、同時に電話で話を聞く、相談を受けるというのは手軽な印象もあるが、実はそんなことはなかったり。

私自身過去には、業務をしながら、他の業務の記録を書きながら電話を受けていると、必ず「聞いてます?」と言われたり「もういいです」と言われた経験がある。

電話は相手に自分の行動が見えないから”大丈夫だろう”と思っていたのだ。とんだ大間違い!こんな失敗の経験を通して、電話は必ず集中して聞こうと思ったのだ。集中して聴くとはどういう事だろうか。

「聞く」と「聴く」の違い

聞く、聴く。自分が集中している時をイメージするとどうだろう。私は、静寂の中にいるような感覚を覚える。周りに一切の音がないイメージ。

現状では、周りが静かな環境で電話が取れるとは限らず、多くの場合は隣に人がいたり、話し声、笑い声までも聞こえてしまう。そんな環境で集中するというのは至難の業と思うだろう。しかし、何か自分の好きなことに夢中になる時にまわりに人がいても集中できると思う。その感覚を思い出せば良いのかもしれない。

電話に集中してみると、驚くほど声以外の情報が頭の中にイメージとして浮かんでくる。同時に、それは自分が勝手に作っているイメージでもあり、良く言えば想像力が高いといえる。想像力を働かせるのは非常に大切だが、一方でその想像力の高さには注意も必要。

何故なら時に自分の勝手なイメージが暴走してしまう時があるからだ。自分に想像力があると自負する時ほど危険で、私自身はその傾向があったし今もある。

本や映画、ドラマなどが大好きで、想像力を駆使して生きている。が、それはあくまでも自分の経験の範囲内でのこと。想定外という言葉通り、世の中は想定外なことばかり。自分がどんなに経験豊富だと思っていても年齢を重ねても、それを越える事象は次から次に出てくる。だからこそ、集中して聴く。

何かに当てはめたりしない

毎回初めての話、既視感を覚えても、あくまでもそれはそれ。今、目の前にいる人の話に集中する。何かに当てはめたりしない。これが、言うのは易し行うのは難しなのだ。

さて、冒頭にご紹介したこの映画『THE GUILTY ギルティ』を観ていて、主人公の気持ちにワープして観ていると主人公が感じている状況が目に浮かび、まるで体験しているような感覚を覚えた。そして、物語が進んでいき段々と違和感を感じ始めると同時に、最初の思い込みが払拭できず、違和感を感じつつも進んでしまう。

この状況は電話相談を受ける状況ととても似ていると思ったのだ。人は物事を自分の見たいように見る生き物。誰しもがそうで、それが悪い事ではない。むしろ、それが人なのだと思う。だからこそ、話を聞く側の人は自分のアンコンシャス・バイアスを意識しないといけない。映画から受け取るメッセージは人それぞれ。この映画を観て同じように感じて欲しいとは思わない。

最近は同業者の研修や卒業した大学の講師で呼ばれることも多く、支援者の研修や学びについて質問を受けるが、私が常に伝えたいと思うことは、

・とにかく自分の内側を見ることと

・たくさんの喜怒哀楽の感覚を感じること

・自分の感情のスイッチを働かせること

人によって、どの手法がいいかは変われど、私がおすすめする1つが映画を観ることです。本や映画、ドラマ、想像力を鍛えるにはもってこいだ。

想像力を鍛え、高めてこそ、創造力が生まれると思うのだ。支援者に創造力が必要か?と言われることもあるが、有体の制度だけで仕事をするわけではないだろう。

想像力と創造力が必要不可欠

特にソーシャルワーカーであれば、ソーシャルアクションというミッションがあるはず。その時には必ず想像力と創造力が必要不可欠。

専門の勉強も大事だが、それよりも多くの人のストーリーを知ること、聞くこと、感じること。

そして何より、目の前の人のことを知りたいと思う好奇心。また想定外を楽しめるように自分を整えておくことが何よりも大切な事だと改めてこの映画を観て感じたのです。

医療福祉専門領域の外部講師として、現在も支援させていただいてる研修や、企業向けサポート、個人向けプログラムなども行なっています。

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