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友達の会社を手伝うときは無償がお薦め? 社会規範と市場規範の落とし穴


友達の会社を手伝っているのです。友達だから。週に3時間ほど。うまく時間を見つけて。ここ半年ぐらいかな。

この週末に、「悪いからちょっとお支払すよ、とは言ってもそんなにお金はないのだけど」「月10万ぐらいでいいかな?」と言われた。

だめだめ! お金はだめ。

だって、「社会規範」から「市場規範」へのシフトになってしまうから。

違う言葉で言えば、
・仲良しの世界から、ギスギスの世界へのシフト。
・善意と思いやりの世界から、金銭的・割り切りの世界へのシフト。
・心の関係から、ドライな関係へのシフト。

そして、そのセオリー通りに、ボクの心は自然にこう思った。ええ、10万円? ボクは時給が5万円の男だよ! 月に12時間労働だと60万円だよ! 税前で! と言いたくなる(あ、時給5万円てのはウソですが)。

せっかく仲良しだから善意でやっていたのに、となる。


そして、思い出した。

ある人が会社をつくった。仲間を呼んで給料を払える資金は無い。1人でがんばっていた。そこに、大手町の一流会社が嫌で辞めて、すぐ転職せずに考える時間が欲しいというプー太郎が「手伝うよ。貯金は多少あるし」と参加してきた。「上手くいき出したら給料払ってよ」と笑顔。そんな関係の2人でがんばっていた。

そこにもう一人、上場会社の”くだらない”人間関係に嫌気がさした、と、同じくサラリーマンを辞めた友達が参加した。3人になる。

ちょっとずつ売上が立つ。でも、給料というほどにはならない。ご飯を会社のお金で皆で食べたり、オフィスで皆で寝たり。仲良くやっていた。

そして、さらに売上が増えて、ちょっとの給料を払おうとなった。高校卒業者の初任給程度。そこから崩壊が始まった。

大手町の一流企業の給料と比べると5分の1か、6分の1か。「社会規範」の関係にお金が入って「市場規範」に変わる。

そして、もう一つの大きな問題は、ビジョンが共有されていなかった。創業した彼が実現したかったことに、他の2人は別に共感していなかった。困っている仲間を助けたかっただけなんだもの。そこには、やさしさがあったといえるが、彼ら2人の協力は、その会社のビジョン・創業の想いとは正直関係ない。

そこに、びっくりするぐらい安い給料なるものが間に入ってきた。その額なら働く時間はX時間だよな、という思考がどうしても、自然発生してしまった。。。やる気が落ち出す。。。

ボクは外部の業者として売買関係の中で創業者と仕事をしていた。彼とお話した。やっぱりビジョンだよね、そこが抜けていた、当時はしょうがない、次に行くステージだ、今必要な社員はこんな人達だ、などなど整理。そしてもう「社会規範」の関係に戻すのはかなり難しいとも進言。

で、お友達の2人には彼がお話をして、結局、去ってもらった/去って行った。

それから、採用にお金はかかるけど、今後はビジョンに共感・共鳴してもらえるひととチームになろうね、ということで、ビジョンを再度、定義しなおす。ビジョンなるものの定義にもよるけれど、どういう人物を採用すべきかも明確になっていきますね。

ビジョン > 戦略 > 行動指針 > 仲間のスキル・性格・目指すこと、など、一貫性が出てくる。多様性の中での金太郎飴。自然と一体感が生まれる。そして、「市場規範」が前提の、信頼関係・人と人の関係を築こうね、となる。


「社会規範」と「市場規範」。うっかりシフトさせちゃうときがありますね。

「社会規範」で始まった「ステキ」な関係を「市場規範」のドライな人間性不要な役割と機能の関係に変えたら、「社会規範」にはなかなか戻れないのです。。。

さて、ボクが手伝う友達の会社との関係はどうなることやら。引き続き無償だけど、10万円って聞いちゃったものね。。。その10万円は寄付でもしてもらおうかしら。。。


読んで頂きましてありがとうございます。
(v9_13)



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