会社の「目指す姿」に、心が燃えるか? 定期的に点検・再構築しよう
以前、会社を「わくわくな自走の場」にするための4ステップを考えたのです。
今回は、そのSTEP1「目指す姿の点検・再構築」を、もう少し深く思考してみたのです。なお、「何のために、今、私たちはここに集まって、日々がんばっているのか」という会社の”エンジン”を、「目指す姿」(存在意義、ビジョン、パーパスなどでも可)という言葉に集約しています。
「目指す姿」は創業時には明確です。そのために創業されたのですから。でも、時を経て、社会/会社の成長ステージの変化に伴ったて変わってしかるべき。でも、点検されず、ほったらかし。。。
「目指す姿」が時代遅れや現状不整合は弊害しかない。どの山に登ろうとしているの? わからない。これでは社員の心は燃えない。自走も生まれない。ビジョナリーであることを大切にする方からは応募もされない。同じく既存社員は辞めやすい。何のためにどこに向かって働いているかが曖昧、現状と不整合、なんてありえないですもの。。。
だから、点検、必要に応じた再構築が大切だと思うのです。
会社の「目指す姿」の点検ポイント:
1.点検1:「目指す姿」に適切な「カタチ」がある?
①:「想い」との一致
どんな背景・経験から創業したのか、そして、今はなぜ、何のためにこの事業をしているのか。こんなリーダーの「想い」が点検のスタート。強い「想い」が感じられない、ただ綺麗に整理されただけの飾りのような表現では、誰も燃えない。リーダーを突き動かす心の想いを表現しないとです。自問自答で「想い」を再定義。その後、それを現状の「目指す姿」と比較。
②:自分たちらしさ
「目指す姿」が、どの会社にも当てはまるようなものだと、ちょっと心は燃えづらい。「想い」が表現されても、「自分たちらしさ」が感じられた方が、帰属的だし、受け入れやすい。誇らしさ、モチベーション向上もありえる。現代は人口減少、モノ・サービスの飽和、価値観の多様化で、会社の維持・成長にはオリジナリティが必須の時代。ということで、「自分たいらしさ」は何?それは「目指す姿」に反映されている?かを点検。
③:利他的
創業には必ず利他的な背景がある。正直なスタートはお金を稼ぎたい!かもしれないが、次は何で稼ぐかが課題になり、利他じゃないと売れないと遅ればせながら気づく。そして、CSRやCSVなどのカタカナを押し付けられなくとも、初期の社員・取引先・顧客には感謝し大切にする。が、経営が進むと自然に「ウチさえ、自分さえよければ」と利他は対外的見せかけになる。経営にはウソ・裏表が必要、と勘違いして。ということで「目指す姿」に利他の心が刻まれているかを点検。利他的でなければ、社員は付いて来ないし、採用も集まらず、一丸・熱意・自主性は期待できない
④:すーっと腹落ちする表現
想い、らしさ、利他が込められていても、伝わりづらい・理解しづらい表現では社内にも社外にも浸透しない。理解・納得が遠のく。変にカッコつけず、シンプル・キャッチーにのみこだわらず、仲間が腑に落ちるような、ロジカルで感情的な表現が欲しい。ここを点検。
⑤:ストーリー性
④の補完ですが、ストーリーがあった方が記憶されやすいし、ニュアンスがわかり、腑に落ちやすくなる。短い言葉だけでは受け手の解釈がバラつきえます。なので、すーっと腹落ちする表現の「目指す姿」を補完する役割としてストーリーも定義し、腹落ちを支えたい。ここを点検。
2.点検2:社員は目指す姿に共感している?
さて、点検1で、良質な「目指す姿」が確認できたら、次は、社員に伝え、共感を得なければ、です。良い物でも伝えないと宝の持ち腐れ。
ただ、以前、「自社の目指す姿(ビジョン、理念など)を覚えているか」を調査したら、明確に覚えている人はわずか7%、4人に1人は「あるか、ないかもわからない」という残念な結果。
さらに、周知し、暗記させるだけでもダメ。思考行動に影響するまで落とし込むことが目的なのだから。それには社員の共感・共鳴が大前提。
ということで、「目指す姿」に上述の点検1.の適切な「カタチ」があるならば、共感の土壌はある。次は社員からの共感を継続確保・向上させる周知活動が効果的かが課題。現状の周知活動を点検。
3.点検3:目指す姿まで、あとどれくらい?
もう達成している、なんてことはないのです。当然ながら常に未達のはずです。だって、達成したら、新しい「目指す姿」を定義する時なので。
文章などで定義された「目指す姿」に力を発揮してもらうためにも、達成度を定期的に確認するのが良いかなと思うのです。とは言っても「目指す姿」は定性的で、数値目標ではない。だから達成度は評価しずらい。
でも、いいのです。定性評価で良いのです。リーダーなら”わかる”はずですから。社内では色んな失敗、不正、問題、取組み途中の課題があります。一方で、改善されたり、撲滅されたり、良き事例もあります。それらを総合的・俯瞰的に統合し、現状をどんな未達としてリーダーは捉えているか、それをフックに何をどう進捗/改善させて行きたいか、その想いを社内に共有し、「ここまでは来たよ。みんなありがとう」の感謝と「ここをまだまだ頑張ろう」との奮起と、そして「私たちはできるよね!」という希望を運ぶ、と良いかと思うのです。だから、この観点での現状の達成度を点検する
ということで、年末年始は、来し方行く末を考え、整理し、語る機会が増えますので、それをトリガーに、腰を落ち着け「目指す姿」を点検・再確認、してはどうかな、と思ったのでした。
自分もですね。。。
お読み頂きありがとうございます。
(v10_36)