この子の叫びは届かない
バングラデシュで子どもたちに会うとき、気を付けて見ていることがある
瞳の輝きを見ることだ
瞳には生命力が映し出される、しかし、残念ながら輝いている眼ばかりではない
絶望と不安で疲れ切った眼
もうすぐ命が終わろうとしている眼
そんな瞳をした子どもたちをたくさん見てきた
スラムに住む子どもたちのために生きるディノ
その彼から写真と共にメッセージが届いた
バングラは4月4日まで、首都閉鎖を行なっている今、手元にあるお金でまずは、10日分の食料はスラムの子供達とその家族に渡たした。何人かの子供は村の方に帰って村で生活しているが、ほとんどはスラムに残って生活を続けている。スラムに住む人は毎日の収入がその日の食費になることもあり、このままいくと食料をめぐって治安の悪化、暴動が起きる可能性もある。2ヶ月分の食料分の資金は現地にあるため、学校に通う子供達の食料分は今のところなんとかなるが、大量の人口を支えるための食糧不足や、富裕層の食料買占めによる食料の高騰化などの自体が起きることでまた新たな問題を引き起こす可能性がある。随時、様子を見ながら、連絡をする
スラムに住む人々は、毎日ポケットの中に入っているお金で暮らしているが、首都閉鎖が行われるとその僅かな収入源が絶たれ、今日を生きていくことが出来なくなる
世界中で毎日7千人以上が無くなる感染症。新型コロナ以前から途上国の人々は治療をすれば助かるはずの感染症で死んでいる。マラリアの感染者は年間で1億人以上だ。
スラムに住む彼らは今の新型コロナが蔓延するような状況下で、ずっと今日まで生きてきた。
そこに追い討ちをかけた世界全体への自粛要請
確かに新型コロナの脅威はスラムの人々にも及ぶのだから、都市閉鎖や自粛要請はあっても仕方はないと思う
しかし全ての活動を止めてしまうのなら
この子たちは今日から何を食べれば良い?
水も食料もまともに無い彼らは、たった一度の食事を取り上げられた。
今日から一体何をあてにすればいいのか?
その答えを持たずに自粛だけを要請することは何かが違う
これは日本社会でも同じことだ
給食しか頼りのなかった子どもたちもいる
親の虐待に怯えている子どももいる
280万人が貧困状態の日本で、自粛だけを要請すればどうなるのか?は火を見るよりも明らか
何度も言うが僕の中で"非常事態"はずっと前から続いていた
少なくとも金持ちのお年寄りを守るために、貧しい子どもたちの命が失われる事態を、僕は容認する気はない
役目が終われば地に還り、今日生まれてくる新しい命に居場所を譲る
これが生命の秩序ではないのか?
油断せず備えるべきことをして、自分が出来ることを今日もする
ひろのぶ
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