【詩】陽だまり
大きな木の風裏で
芽吹いた花がありました
木漏れ日に葉を重ね
風に歌って
花びらを数えるような
風に吹かれる夜が訪れても
それもすべて
日々の証になるでしょう
つたう雫を数えるような
雨音に眠る夜が訪れても
それもすべて
一輪の糧となるでしょう
いつかあせる淡い薫りも
いつか散りゆく煌めきも
いつか紛れる雑踏の向こうに
いつか暮れゆく夕陽の向こうに
それもすべて
新たな葉に還るでしょう
歌っていよう
傍(かたわら)に咲く
名もない花を
歌っていよう
語り紡ぐ物語を
最後まで読んでくださりありがとうございます。読んでくださったあなたの夜を掬う、言葉や音楽が、この世界のどこかにありますように。明日に明るい色があることを願います。どうか、良い一日を。